花咲徳栄、初戦敗退 浦和学院は29日山形中央戦

 第85回選抜高校野球大会第6日は27日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦3試合を行い、昨秋の関東大会準優勝の花咲徳栄は、東海大会優勝の県岐阜商に3−8で敗れ、初戦敗退した。

 先発したエース関口は、持ち味の直球を相手打線に攻略された。二回1死二、三塁から2本のタイムリーを浴び、3点を先制されると三、四回にも1点ずつ奪われた。それでも中盤に反撃。打線は1−5で迎えた四回、4番若月が左翼席へソロ本塁打、六回には森の右翼への適時三塁打で2点差に詰め寄った。

 しかし立ち直ったかに見えた関口が七、八回につかまり計3点を加点され、8回11安打8失点で降板した。強力打線も相手左腕藤田の緩急をうまく使った投球を捉えきれず5安打に抑えられた。

 低くて速い打球で野手の間を抜き、バントやエンドランを絡める花咲徳栄らしい攻撃はほとんど発揮できなかった。鉄壁の守備も2失策と乱れ、不本意な形で甲子園を去ることとなった。岩井監督は「このまま終わるとは思ってない。もう一回、やり直したい」と出直しを誓った。

 県勢は浦和学院が大会第8日の29日の3回戦で、山形中央と8強入りを懸けて対戦する。

埼玉新聞

◇笑顔と元気届ける

 アルプススタンドから応援を先導したのは応援団部OGの杉本遥花さん(18)。10年のセンバツに出場した花咲徳栄ナインの姿をテレビで見て感動し、高校入学と同時に応援団部に入った。今春卒業し、大学進学を控える杉本さん。「大好きな甲子園で母校を応援したい」とスタンドに駆けつけ、スクールカラーの青いはちまきを頭に巻いて現役部員とともに熱いエールを送った。杉本さんは「スタンドから笑顔と元気を届けます」。

◇県外の後輩ら応援

 県外出身の選手も多い花咲徳栄のスタンドには、遠く離れた地元の後輩たちが応援に駆けつけた。栃木県出身の森大希選手(3年)が通った同県那須塩原市立箒根中の野球部員約10人は、チャンスで適時打を放った先輩の姿に「かっこいい!」「ナイスバッティング!」と大興奮。郡司朋弥さん(14)は、「森さんは今でもたまに練習を見に来てくれる優しい先輩。将来は僕もこのグラウンドでプレーしたい」と目を輝かせた。

◇接戦に持ち込めず 花咲徳栄・岩井隆監督

 敗因は接戦に持ち込めなかったこと。ミスが絡んで序盤に3失点したのが痛かった。県岐阜商の藤田投手の丁寧に低めを突く投球にも苦戦した。夏までに、投手陣の制球力を高めたい。

◇本来の野球できず 花咲徳栄・根建洸太主将

 自分たちの野球ができれば勝てるし、その力はあったと思う。でも打つことができず、守備からリズムを作ることもできなかった。敗戦よりも自分たちの野球ができなかったことが悔しい。

毎日新聞埼玉版)