花咲徳栄×県岐阜商 27日対戦、両校監督対談

 第6日の第3試合(27日、午後2時)で対戦する花咲徳栄の岩井隆監督と、県岐阜商の藤田明宏監督が対談し、互いの印象、試合への意気込みなどを語った。

 ―相手の印象。

 岩井「伝統校で、高校生らしい質の高い野球をする」

 藤田「洗練されていて非常に強いチーム」

 ―警戒する相手選手。

 岩井「藤田投手。上位打線はチャンスに強いイメージ」

 藤田「投手(関口)は球が速く捕手(若月)は肩が強い。その中でもどれだけ足が生かせるか」

 ―期待する選手。

 岩井「全員」

 藤田「みんなに期待」

 ―チームの仕上がり。

 岩井「目立った故障者もなく順調にきている」

 藤田「チームとしてあまり機能してなかったが、ようやく試合勘を思い出してきた。本番まで気持ちを高めて臨みたい」

 ―試合への意気込み。

 岩井「晴れ舞台なので選手には失敗を恐れず元気よくやってほしい。まずは1勝して選手の自信になってくれればいい」

 藤田「昨夏の初戦敗退から、ここまでよく頑張ってくれた。気持ちを一つに、プレーで見せて初戦の壁を破ってほしい」

◇10年ぶり晴れ舞台 花咲徳栄・福本コーチ、甲子園練習でマウンド

 花咲徳栄のヒーローが甲子園のマウンドに帰ってきた―。19日の甲子園練習で、福本真史コーチがあの時以来の晴れ舞台に立った。

 あの時とは10年前の2003年、第75回選抜大会。当時、エースだった福本コーチ。延長引き分け再試合となった東洋大姫路(兵庫)との準々決勝は、今でも語り継がれる名勝負だ。

 福本、アンの両エースが意地の投げ合いを見せた試合は、互いに譲らず延長十五回、2―2で引き分け。翌日の再試合も5―5で延長戦にもつれ込み、九回からリリーフした福本は延長十回無死満塁から、自身の暴投でサヨナラ負けを喫した。うずくまって号泣し、仲間に抱えながら整列に向かう姿は、多くの人々の胸を熱くした。

 あれから10年。福本コーチは打撃投手として、再び聖地のマウンドに立った。すらっとした身体は、今では恰幅(かっぷく)が良くなったが、投げ方は当時とほとんど変わらない。10分程度の登板時間で、「正直言って懐かしいとか、雰囲気に浸る間もなかったです」。選手たちに気持ち良く打たれ、マウンドを降りた。

 初戦に向け、現エースの関口にはこんな言葉を掛けたという。「試合の進行はスピーディーで、せかされることだってある。でも普段通り投げることが大事。自分の間合いをしっかり持ちなさい」。甲子園で魂を込めて569球を投じた右腕だからこそ送れるアドバイスだ。

埼玉新聞