ベンチで仲間を鼓舞し続け 花咲徳栄・3年、根建洸太主将

 グラウンドから三塁側アルプススタンドを見上げると、応援団の姿がにじんだ。「最後まで大きな声を出してくれたのに勝てなくて申し訳ない気持ちだった」

 主将になって8カ月。時に選手の声に耳を傾け、時に叱咤(しった)激励しながら、チームをけん引してきた。「本当に偉大なキャプテン。頭が上がらない」。楠本泰史副主将(3年)は全幅の信頼を寄せる。

 ポジションは捕手で、背番号は「12」。試合が始まると、人一倍大きな声でアドバイスする。「落ち着け、いつかチャンスが来るから」。この日もベンチから、グラウンドの仲間を鼓舞し続けた。

 試合終了後、控室でエースの関口明大投手(3年)に声を掛けた。「胸を張っていろ。泣くな」。そう言って、肩をポンとたたいた。

 念願の甲子園での勝利は果たせなかったが、目標はすでに決まっている。「忘れ物ばっかりなので、絶対夏に戻ってきます」。夢舞台に再び立つことを力強く宣言した。

毎日新聞埼玉版)