決勝打 会心の一撃 昌平・佐藤成樹選手(3年)

 11回2死三塁で迎えた昌平の佐藤成樹選手(3年)の打席。初球、意表をついたセーフティバントはわずかに三塁線を割った。すぐに気持ちを切り替え、打席に戻る。「今日は当たっている。次は打ってやる」

 2ストライクから、3球ファウルで粘って6球目。高めの直球を振り抜くと、会心の当たりが左翼を襲い、決勝打になった。

 「打った瞬間は本塁打だと思いました」。冗談交じりで笑顔を見せた。

 大きな声で周囲を盛り上げ、一時は主将も務めていた中心選手。ところが、4回戦で失策を犯したこともあり、「お灸(きゅう)を据えて」(塚本公二監督)のベンチスタートとなっていた。

 リードを許した序盤の展開を、ベンチからじっと見つめた。「雰囲気は悪くない。自分がもっと良くして、絶対に逆転する」。5回裏から交代し、7回には1点差に詰め寄る適時二塁打、9回にも内野安打を放った。勝負どころで、豪快なフルスイングがチームをもり立てた。

 準々決勝の相手は、昨夏1点差で敗れた川口。リベンジのチャンスだ。「次は先発で出たい。泥臭く戦っていきます」

朝日新聞埼玉版)