最後の夏に努力結実 堂田恵耶外野手(不動岡3年)

 打線が振るわず敗れた不動岡。背番号20の堂田恵耶外野手(三年)は、6番レフトで先発出場し2安打。五回にはチーム唯一の得点のホームを踏んだが、「もっと打ってみんなと勝ち続けたかった」と、泣き崩れた。

 昨秋の新チーム発足後、一度はレギュラーをつかんだが、打撃不振が続き、外された。だが、直前の練習試合で本塁打を放つなど猛アピール。定位置を奪い返し、初めて夏の大会でベンチ入りを果たした。

 「一度決めたらやり通す」が信条。野球に打ち込む傍ら、難関国立大を目指す。朝は午前六時前の電車で登校、始業前にバットを振り込んだ。練習を終え帰宅は午後九時を過ぎるが、翌日の予習も欠かさない。試合には敗れたものの、努力は実を結ぶと身をもって示した。

 「大学で野球を続けたいし、将来はスポーツ記者になりたい」と、最後には笑顔も見せた。参考書片手に眠り込む姿も見てきた母富貴子さん(40)は「ずっとコツコツやってきて、大舞台で活躍を見せてくれた」。スタンドで感激した表情を浮かべた。

東京新聞埼玉版)