浦学、21年ぶり4強へ平常心 31日北照戦

 2年連続のベスト8入りを果たした浦和学院は31日の準々決勝で、北照(北海道)と対戦する。勝てば、就任1年目の第64回大会(1992年)以来、21年ぶりの4強を目指す森監督は、「いろいろな邪念を吹き払って、緊張感を楽しみながら思い切りやるだけ」と平常心を強調した。

 チームは前日の30日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場などで、約4時間の最終調整を実施した。

 打撃練習では、北照のエース大串を想定し、左投手相手に一回り攻撃。3回戦で途中出場ながら2安打2打点と活躍した服部が、レギュラー組の左翼に入った。ブルペンでは左腕エース小島、右腕山口が投げ込みを行った。

 29日の3回戦では打線が14安打と爆発し、山形中央に11−1で大勝。好機になかなか一本が出なかった初戦の土佐(高知)戦から、しっかりと修正した。森監督は「一戦ごとに選手たちの動きは良くなり、精神的にも乗ってきている。いい形で準々決勝を迎えられる」と自信を見せた。

 北照は初戦の2回戦で15安打を放ち、菰野(三重)に7―0で快勝。3回戦の尚志館(鹿児島)戦では一回の猛攻で4得点を奪い6―3で勝った。打線は強力で、左腕エース大串は初戦完封、3回戦は11奪三振

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浦和学院、2年連続8強 山形中央に11−1

 第85回選抜高校野球大会第8日は29日、兵庫県西宮市の甲子園球場で3回戦3試合を行い、浦和学院は東北絆枠出場の山形中央に11−1で圧勝し、2年連続の8強進出を果たした。森監督は甲子園通算20勝を達成。大会第10日、31日の準々決勝第2試合(13時30分)で、21年ぶりのベスト4入りを懸け、北海道王者の北照と激突する。

 初戦の2回戦は13残塁で4得点だった浦和学院打線が、この日は14安打で11得点と爆発した。

 一回、先頭の竹村が右前打で出塁すると、贄(にえ)がバスターエンドランを敢行。左中間を破る適時三塁打を放って先制した。続く山根も内野安打を放ち、3連打、わずか9球で2点を奪った。

 その後追加点を奪えず、五回にはエース小島の制球が乱れ1点差に詰め寄られた。しかし直後の六回、先頭の4番高田が左翼席へソロ本塁打を放ち、嫌なムードを吹き飛ばすと、2死二、三塁から途中から左翼の守備に入っていた服部が三遊間を破る2点タイムリー。この回3点を追加し、山形中央を突き放した。

 中盤以降は打線が本来の力を発揮した。七回は高田の二塁打で1点、八回には竹村、木暮の三塁打などで5安打で5点を奪い、大勢を決めた。

 初戦を完封したエース小島は5四死球と制球に苦しんだが、要所を三振で切り抜けるなど粘りを見せ、8回4安打1失点でまとめた。最終回は山口にバトンタッチ。昨夏以来のマウンドとなった右腕は先頭に二塁打を浴びたものの、後続を落ち着いて切って取った。

 投打がかみ合っての大勝。昨秋の関東大会3連覇、3季連続甲子園の実力を発揮した。31日の準々決勝は好左腕大串を擁する北照。3回戦の尚志館(鹿児島)戦では変化球を駆使し11三振を奪った。森監督は「素晴らしい投手。大振りにならないように立ち向かっていきたい」と抱負を話した。

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◇チームの流れ作る先頭打者 浦和学院・3年、竹村春樹選手

 「1、2番でチャンスを作ろうぜ」

 試合前、贄隼斗選手(3年)と約束した通り、最初の打席で右前打を放ち、贄選手の適時三塁打で先制のホームを踏んだ。わずか7球での先制劇。「先頭打者として出ることが自分の役割。チームの流れを作りたかった」

 3季連続の甲子園出場。本番直前の今月上旬、思わぬアクシデントが起きる。沖縄合宿中の練習試合で、打球が左あごを直撃し、あごの骨にひびが入った。約10日間、栄養補助食品やおかゆしか食べられず、体重が約5キロ落ちた。「間に合うか不安だった」

 昨春のセンバツは調子が上がらず悔しい思いをした。それだけに、今大会にかける思いは人一倍強い。「自分がどんなパフォーマンスをすべきかを考えながら、グラウンドに立っていた」。2大会連続の8強入りにも浮かれた様子はない。「先輩たちに並んだことに満足せず、気を引き締めて目の前の相手に向かっていきたい」

◇応援団長は野球部

 一塁側アルプススタンドでは、浦和学院野球部で3年の池ノ上大貴さん(17)が応援団長として選手たちに熱いエールを送った。これまでベンチ入りしたことはないが、「全員野球で勝つ」と勝利への思いは人一倍だ。新チーム発足後、応援団長となり、応援団員約25人を引っ張ってきた。「全国制覇」と刺しゅうされた赤いはちまきをした池ノ上さんは、「勝利を信じて声が枯れようと倒れるまで応援します」と力強く話した。

◇マスコット見守る

 浦和学院のソングリーディング部「スプラッシュ」のマスコット「うさぎのスプラ」と「羊のラッシュ」も、スタンドから選手の活躍を見守った。マスコットはいずれも同部の保護者の手作りで、部長の近藤綾音さん(17)は「この子たちがいると良い結果を残せます」。その言葉通り、同部は千葉市で26日にあったソングリーディングの全国大会で準優勝を飾った。スプラッシュのメンバーたちは「私たちの応援があれば、全国制覇間違いなしです」。

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ベンチで仲間を鼓舞し続け 花咲徳栄・3年、根建洸太主将

 グラウンドから三塁側アルプススタンドを見上げると、応援団の姿がにじんだ。「最後まで大きな声を出してくれたのに勝てなくて申し訳ない気持ちだった」

 主将になって8カ月。時に選手の声に耳を傾け、時に叱咤(しった)激励しながら、チームをけん引してきた。「本当に偉大なキャプテン。頭が上がらない」。楠本泰史副主将(3年)は全幅の信頼を寄せる。

 ポジションは捕手で、背番号は「12」。試合が始まると、人一倍大きな声でアドバイスする。「落ち着け、いつかチャンスが来るから」。この日もベンチから、グラウンドの仲間を鼓舞し続けた。

 試合終了後、控室でエースの関口明大投手(3年)に声を掛けた。「胸を張っていろ。泣くな」。そう言って、肩をポンとたたいた。

 念願の甲子園での勝利は果たせなかったが、目標はすでに決まっている。「忘れ物ばっかりなので、絶対夏に戻ってきます」。夢舞台に再び立つことを力強く宣言した。

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花咲徳栄、初戦敗退 浦和学院は29日山形中央戦

 第85回選抜高校野球大会第6日は27日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦3試合を行い、昨秋の関東大会準優勝の花咲徳栄は、東海大会優勝の県岐阜商に3−8で敗れ、初戦敗退した。

 先発したエース関口は、持ち味の直球を相手打線に攻略された。二回1死二、三塁から2本のタイムリーを浴び、3点を先制されると三、四回にも1点ずつ奪われた。それでも中盤に反撃。打線は1−5で迎えた四回、4番若月が左翼席へソロ本塁打、六回には森の右翼への適時三塁打で2点差に詰め寄った。

 しかし立ち直ったかに見えた関口が七、八回につかまり計3点を加点され、8回11安打8失点で降板した。強力打線も相手左腕藤田の緩急をうまく使った投球を捉えきれず5安打に抑えられた。

 低くて速い打球で野手の間を抜き、バントやエンドランを絡める花咲徳栄らしい攻撃はほとんど発揮できなかった。鉄壁の守備も2失策と乱れ、不本意な形で甲子園を去ることとなった。岩井監督は「このまま終わるとは思ってない。もう一回、やり直したい」と出直しを誓った。

 県勢は浦和学院が大会第8日の29日の3回戦で、山形中央と8強入りを懸けて対戦する。

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◇笑顔と元気届ける

 アルプススタンドから応援を先導したのは応援団部OGの杉本遥花さん(18)。10年のセンバツに出場した花咲徳栄ナインの姿をテレビで見て感動し、高校入学と同時に応援団部に入った。今春卒業し、大学進学を控える杉本さん。「大好きな甲子園で母校を応援したい」とスタンドに駆けつけ、スクールカラーの青いはちまきを頭に巻いて現役部員とともに熱いエールを送った。杉本さんは「スタンドから笑顔と元気を届けます」。

◇県外の後輩ら応援

 県外出身の選手も多い花咲徳栄のスタンドには、遠く離れた地元の後輩たちが応援に駆けつけた。栃木県出身の森大希選手(3年)が通った同県那須塩原市立箒根中の野球部員約10人は、チャンスで適時打を放った先輩の姿に「かっこいい!」「ナイスバッティング!」と大興奮。郡司朋弥さん(14)は、「森さんは今でもたまに練習を見に来てくれる優しい先輩。将来は僕もこのグラウンドでプレーしたい」と目を輝かせた。

◇接戦に持ち込めず 花咲徳栄・岩井隆監督

 敗因は接戦に持ち込めなかったこと。ミスが絡んで序盤に3失点したのが痛かった。県岐阜商の藤田投手の丁寧に低めを突く投球にも苦戦した。夏までに、投手陣の制球力を高めたい。

◇本来の野球できず 花咲徳栄・根建洸太主将

 自分たちの野球ができれば勝てるし、その力はあったと思う。でも打つことができず、守備からリズムを作ることもできなかった。敗戦よりも自分たちの野球ができなかったことが悔しい。

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花咲徳栄×県岐阜商 27日対戦、両校監督対談

 第6日の第3試合(27日、午後2時)で対戦する花咲徳栄の岩井隆監督と、県岐阜商の藤田明宏監督が対談し、互いの印象、試合への意気込みなどを語った。

 ―相手の印象。

 岩井「伝統校で、高校生らしい質の高い野球をする」

 藤田「洗練されていて非常に強いチーム」

 ―警戒する相手選手。

 岩井「藤田投手。上位打線はチャンスに強いイメージ」

 藤田「投手(関口)は球が速く捕手(若月)は肩が強い。その中でもどれだけ足が生かせるか」

 ―期待する選手。

 岩井「全員」

 藤田「みんなに期待」

 ―チームの仕上がり。

 岩井「目立った故障者もなく順調にきている」

 藤田「チームとしてあまり機能してなかったが、ようやく試合勘を思い出してきた。本番まで気持ちを高めて臨みたい」

 ―試合への意気込み。

 岩井「晴れ舞台なので選手には失敗を恐れず元気よくやってほしい。まずは1勝して選手の自信になってくれればいい」

 藤田「昨夏の初戦敗退から、ここまでよく頑張ってくれた。気持ちを一つに、プレーで見せて初戦の壁を破ってほしい」

◇10年ぶり晴れ舞台 花咲徳栄・福本コーチ、甲子園練習でマウンド

 花咲徳栄のヒーローが甲子園のマウンドに帰ってきた―。19日の甲子園練習で、福本真史コーチがあの時以来の晴れ舞台に立った。

 あの時とは10年前の2003年、第75回選抜大会。当時、エースだった福本コーチ。延長引き分け再試合となった東洋大姫路(兵庫)との準々決勝は、今でも語り継がれる名勝負だ。

 福本、アンの両エースが意地の投げ合いを見せた試合は、互いに譲らず延長十五回、2―2で引き分け。翌日の再試合も5―5で延長戦にもつれ込み、九回からリリーフした福本は延長十回無死満塁から、自身の暴投でサヨナラ負けを喫した。うずくまって号泣し、仲間に抱えながら整列に向かう姿は、多くの人々の胸を熱くした。

 あれから10年。福本コーチは打撃投手として、再び聖地のマウンドに立った。すらっとした身体は、今では恰幅(かっぷく)が良くなったが、投げ方は当時とほとんど変わらない。10分程度の登板時間で、「正直言って懐かしいとか、雰囲気に浸る間もなかったです」。選手たちに気持ち良く打たれ、マウンドを降りた。

 初戦に向け、現エースの関口にはこんな言葉を掛けたという。「試合の進行はスピーディーで、せかされることだってある。でも普段通り投げることが大事。自分の間合いをしっかり持ちなさい」。甲子園で魂を込めて569球を投じた右腕だからこそ送れるアドバイスだ。

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浦和学院、土佐下す 3季連続でセンバツ初戦突破

 第85回選抜高校野球大会第3日は24日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦3試合を行い、第3試合に登場した3年連続9度目出場の浦和学院は、土佐(高知)に4−0で競り勝って、昨春、夏に続き3季連続で甲子園での初戦を飾った。

 浦和学院は二回、1死一、三塁から小島の中犠飛で先制すると、六回には相手の守備のミスに乗じて、小島の好走塁で追加点。八回にも2死二、三塁から山根の中前への2点タイムリーで突き放した。

 昨夏以来の登板となった先発の左腕小島は、直球と変化球をうまく組み合わせて、被安打6、133球の粘投で甲子園初先発初完封勝利。バックも、贄(にえ)、竹村の二遊間を中心に、堅守で2年生エースをもり立てた。

 初戦という硬さもあったのか、相手に12四死球をもらいながらも3度のバントミスなどで13残塁と、本来の浦和学院らしい攻撃は発揮できなかった。それでも森監督は「粘りながら初戦を突破できたことが何より」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

 浦和学院は、大会第8日の第2試合(29日、午前11時30分)で2年連続のベスト8入りを懸け、山形中央と岩国商(山口)の勝者と対戦する。

◇たくましくフル稼働 浦学2年生小島

 必ず期待に応えてくれる男だ。打っても小島。走っても小島。そしてもちろん投げても小島だ。

 昨夏2番手で登板し3回3失点だった天理戦から217日。伸び味抜群の直球に、冬に覚えたチェンジアップ、カーブなどを織り交ぜ甲子園初先発でいきなりの完封劇。浦和学院のエースナンバーを背負う2年生左腕はたくましくなって聖地のマウンドに戻ってきた。

 不安要素を全て払拭(ふっしょく)してみせた。まずは苦手な立ち上がり。いつも試合前は30球弱だったブルペンでの投げ込みを45球に増やした効果が表れた。「緊張したけど、持ち味の真っすぐを投げられた」。四球を与えたが、無失点でしのぎ波に乗る。

 三塁側アルプスを埋めた土佐の大応援団の歓声にも全く動じない。「スタンドには目もくれず目の前の打者に集中した」。まさに言葉通り、四回には自身の暴投で1死二、三塁を招いたが、走者がスタートを切ったのを背中で感じ、とっさの判断で高めの直球で外した。その後のピンチでも、落ち着いて後続を切って取った。舞い上がってしまった昨夏とは別人だ。

 打撃では二回に先制犠飛。走塁でも六回に相手のミスを見逃さず2点目のホームを陥れた。だが本人は「一番は投げることです」とさらりと言ってのけた。「小さい頃から目標だった舞台で完封できてすごくうれしい。でもここからが勝負。全部、自分が先発して投げ切るつもりでいきます」。この1勝で揺るぎない自信を得た背番号1。勢いは加速していく。

◇声援、闘志を後押し 父母が兄が思い託す

 応援は数じゃない―。そう言わんばかりの熱い声援が、3季連続の甲子園での初戦突破を呼び込んだ。24日、第85回選抜高校野球大会で3年連続9度目出場の浦和学院は土佐(高知)に4−0で競り勝ち、3回戦に駒を進めた。真っ赤に染めた約700人が勝利の美酒に酔いしれた。

 応援席が満員となった土佐(高知)に、浦和学院サイドは気合で対抗。6日に卒業したばかりのOB渡辺健一郎さん(18)は「一人一人が3倍の声を出せば大丈夫」と力を込める。試合前からヒートアップだ。

 昨秋の地区大会以来のベンチ入りを決め、公式戦初スタメンが甲子園という前田優作左翼手の母・香世子さん(45)は気持ちがあまり強くないという息子を時には厳しく、時には温かく励ましてきたという。「メンバーに入ったって聞いた時はうれしかった。とにかく気持ちで負けないで、できる最大限のプレーを」と祈るように息子を見詰める。

 母の願いが通じたのか前田選手は3打席目に中前安打を放つなど、3打席全てで出塁を果たし晴れ姿を披露した。

 先発した2年生エース小島和哉投手の兄・雅浩さん(19)は消防士の仕事を早朝に終え、その足で応援に駆け付けた。上尾高校野球部で4番を担いながらも甲子園出場がかなわなかった雅浩さんは、「普段は優しい弟だけど、内に秘めた熱いものがある。うらやましいけど、うれしい気持ちの方が大きい。悔いのないように思いっきり投げて」。頼もしい弟に自身の夢を託す。

 その思いに応えるように小島投手は、土佐打線を6安打に抑え甲子園初先発で、見事な完封勝利を挙げた。

 試合は4−0で3回戦進出を決めたが、初戦の硬さやバントなどのミスも目立った。浦和学院野球部出身で森士(おさむ)監督がコーチ時代に共に汗を流した、西川元気捕手の父・孝さん(41)は「結果は言うことないが、つなぐウラガクらしい野球を次は見せてほしい」と、OBの目線で後輩たちにエールを送った。

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友情応援の花咲く 所沢西生徒ら、いわき海星後押し

 県立所沢西高校(金子保夫校長、生徒1003人)の吹奏楽部員ら約100人が23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場に駆け付け、第85回記念センバツ大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に21世紀枠で出場したいわき海星(福島)を応援した。東日本大震災以降、ボランティア活動などで交流を深めてきた両校。惜しくも試合には敗れたものの、両校生徒による「友情応援」が甲子園を盛り上げた。

 11年3月に起きた東日本大震災で、いわき海星の校舎が被災。所沢西の生徒が同年夏、がれき撤去などのボランティア活動をしたのを機に、両校の交流が始まった。

 そして今年1月、いわき海星センバツ初出場が決定。ところが水産高校で吹奏楽部がなかったため、いわき海星が所沢西に応援を要請し、今回の「友情応援」が実現した。

 所沢西吹奏楽部のメンバーは三塁側アルプススタンドで、いわき海星とおそろいの青色ジャンパーと、白と紺の帽子をかぶり、校歌や応援歌、大会入場行進曲「花は咲く」など10曲を披露。いわき海星の生徒らは演奏に合わせ、グラウンドの選手に声援を送った。吹奏楽部部長の玉田尚子さん(3年)は「お客さんにも、いわき海星の生徒にもちゃんと『届けたい』という思いで演奏しました」と話す。

 いわき海星の谷翔吾さん(3年)は「人数が増えて相手に負けないぐらい大きな声を出せたのでありがたかった」と感謝し、野球部OBの片倉隆介さん(18)は「一体感があった。あたたかい応援がうれしかった」と笑顔を見せた。

 玉田さんは「勝って一緒に校歌を歌いたかったけど、戦っている姿を見て勇気をもらった。一生忘れられない思い出になりました」と充実した表情で話した。

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