友情応援の花咲く 所沢西生徒ら、いわき海星後押し

 県立所沢西高校(金子保夫校長、生徒1003人)の吹奏楽部員ら約100人が23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場に駆け付け、第85回記念センバツ大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に21世紀枠で出場したいわき海星(福島)を応援した。東日本大震災以降、ボランティア活動などで交流を深めてきた両校。惜しくも試合には敗れたものの、両校生徒による「友情応援」が甲子園を盛り上げた。

 11年3月に起きた東日本大震災で、いわき海星の校舎が被災。所沢西の生徒が同年夏、がれき撤去などのボランティア活動をしたのを機に、両校の交流が始まった。

 そして今年1月、いわき海星センバツ初出場が決定。ところが水産高校で吹奏楽部がなかったため、いわき海星が所沢西に応援を要請し、今回の「友情応援」が実現した。

 所沢西吹奏楽部のメンバーは三塁側アルプススタンドで、いわき海星とおそろいの青色ジャンパーと、白と紺の帽子をかぶり、校歌や応援歌、大会入場行進曲「花は咲く」など10曲を披露。いわき海星の生徒らは演奏に合わせ、グラウンドの選手に声援を送った。吹奏楽部部長の玉田尚子さん(3年)は「お客さんにも、いわき海星の生徒にもちゃんと『届けたい』という思いで演奏しました」と話す。

 いわき海星の谷翔吾さん(3年)は「人数が増えて相手に負けないぐらい大きな声を出せたのでありがたかった」と感謝し、野球部OBの片倉隆介さん(18)は「一体感があった。あたたかい応援がうれしかった」と笑顔を見せた。

 玉田さんは「勝って一緒に校歌を歌いたかったけど、戦っている姿を見て勇気をもらった。一生忘れられない思い出になりました」と充実した表情で話した。

毎日新聞埼玉版)