夢は咲く・花咲徳栄:第85回センバツ高校野球/4

◇勝負強いバッティングを 古川澄也選手(1年)

 昨夏の県大会準々決勝の浦和学院戦。1点を追う九回表の好機で、代打として打席に立った。無我夢中でバットを振ったが、結果は内野ゴロ。試合後、先輩からの慰めの言葉が胸に響いた。「もう2度目はない」。好機に強い打者になると心に決めた。

 昨秋の公式戦は、積極性を大事にした。この姿勢が好結果を生み、7打点を挙げた。それでも満足はしていない。「好機で打てずチームに迷惑をかけた。もっと勝負強いバッティングをしたい」

 栃木県壬生町出身。中学3年の時、シニアチームの主将を務め、全国大会で選手宣誓した。練習時にはひときわ通る声で、他の選手たちを元気づける。甲子園でも攻めの姿勢を貫くつもりだ。

◇笑顔が一番、前見据え 野沢拓己選手(2年)

 笑顔がトレードマーク。どんなに苦しくても、下を向かないようにしている。「『つらい』と思ったら、乗り越えられないから」と前を見据える。

 俊足で守備範囲は広い。同じ外野を守る後輩2人に打球の追い方や捕球姿勢などをアドバイスする。「少しでもお手本になることができたらいいなと思う」

 中学時代は、陸上部とのかけもちだった。中学2年の時、地元の栃木県の大会で、400メートルで1位に輝いたこともある。陸上に専念することも考えたが、最終的には野球一本に絞った。「勝った時の喜びが野球の方が大きかった」

 甲子園での目標は「しっかりと結果を出すこと」。打力アップを目指し、日々練習に汗を流す。

毎日新聞埼玉版)