夢は咲く・花咲徳栄:第85回センバツ高校野球/5

◇積極プレーで好機生かす 多田友哉選手(1年)

 長打力と勝負強さが魅力。昨秋の公式戦は、1年生ながら外野手に定着。出場9試合で打率は3割を超え、9打点を挙げた。村上直心(なおし)コーチは「中学時代から経験豊富で物おじしない」と評する。

 中学3年の時、シニアチームの日本代表として全米選手権に出場。本塁打を放つなど活躍し、チームの優勝に貢献した。「本当に自信になった。日米の野球の違いを感じ、持っていた野球観も変わりました」

 野球部に入部して間もなく1年。「できなかったことが練習してできるようになり、自分の成長を実感できた時が楽しい」と笑顔を見せる。甲子園でも先輩に甘えることなく積極的にプレーし、好機で一本が打てる打者を目指すつもりだ。

◇制球力に絶対の自信 小暮樹投手(2年)

 130キロ台前半の直球とスライダー、カーブなどの変化球が持ち味。制球力には絶対の自信を持つ。昨秋の公式戦は6試合に登板し、与えた四死球は4。抜群の安定感を誇った。

 しかし中学時代は、制球難に悩んだ時期があった。1年時の練習試合で登板したが、ストライクが全く入らない。「実戦の中でいろいろな投げ方を試し、ようやく感覚をつかむことができた」

 2年時の秋の公式戦で先発し、相手を抑えて自信を取り戻した。そして3年時にエースとして出場した全国軟式野球大会で準優勝に輝いた。

 「負けず嫌いではなく、投手向きではないかもしれない。でも投げるのは楽しい」。勝利のために、さらに自慢の制球力を磨く。

毎日新聞埼玉版)