「持ち味」でリベンジ 花咲徳栄2年・山本竜生選手

 「絶対打ってやる」。一回表2死満塁。狙っていた直球を思い切り振り抜くと、白球は右翼線で大きく弾んだ。走者一掃の適時二塁打。「ようやくリベンジできました」。昨秋決勝で浦和学院に敗れた悔しさを晴らす一打に、満足そうな笑みを浮かべた。

 1年の時からレギュラーとなった。上位打線を任されたが、新チーム結成後、岩井隆監督は7番に据えた。「タイムリーも打てるし出塁率も高い。下位打線の中心的な役割を果たしてほしかった」

 岩井監督の采配に、最初は不満もあった。しかし、チームのことを考え、気持ちを切り替えた。「追い込まれても粘って塁に出る自分の持ち味を生かそうと思った」。全体練習後も1人居残り、深夜までひたすらバットを振り込んだ。

 前橋市出身。地元開催となる関東大会への思い入れは人一倍強い。「地元のみんなに頑張っている姿を見せたい」。センバツ出場をかけた大舞台での活躍を誓った。

毎日新聞埼玉版)