越谷東高が開幕2日前に出場辞退

 埼玉県高野連は7日、県立越谷東高校(越谷市)から「野球部内での暴力行為があった」として、9日開幕の第93回全国高校野球選手権埼玉大会の出場を辞退するとの申し入れがあり、受理したと発表した。

 越谷東高によると、今月5日午後5時から約1時間、野球部の部室内で2、3年生13人が1年生9人に対して「説教会」を開催。最初は礼儀や練習態度について説教をしていたが、次第にエスカレートし、顔を平手でたたくなどの暴力行為に発展していったという。同日午後8時、1年生の部員の保護者から野球部の伊原正人監督に「退部したい」という相談があり、発覚した。

 県高野連によると、6日、伊原監督から口頭で、「部内で暴力行為があった」との報告があった。翌7日に正式に出場辞退の申し入れがあったため、県高野連はこれを受理した。近く高野連側から越谷東高に正式な処分が下される方針。県高野連の高間薫理事長は「この大会のために3年間努力してきた生徒もいるのに辞退することになり、大変残念」と語った。

 越谷東高の辞退に伴い、埼玉大会の試合日程も変更となった。10日の県営大宮球場第1試合の越谷東−所沢北戦は没収試合となり、所沢北の不戦勝となる。同日午前11時半開始予定の第2試合狭山ケ丘−所沢商戦は午前10時開始となり、午後2時開始予定の第3試合越谷総合−川越初雁戦は午後0時半開始となった。

 越谷東高校によると、暴力行為を行った2、3年生は「以前から後輩へのこうした指導はあった」と説明しているが、監督や教諭は把握していなかったという。同校は「悪しき伝統を断ち切り、暴力行為の再発防止に努める」としている。

産経新聞