難病おしてノッカー務め 越ヶ谷3年・小林直紘君

 2年生だった昨夏は、中堅手として活躍した県営大宮球場。今大会は試合前の7分間、外野にノックを打つノッカーを務めた。「選手として出たかったけど、みんなが最高のプレーをしてくれた。悔いはありません」と笑顔で語った。

 安定した守備を買われ、1年秋からレギュラー入りした。しかし昨年10月、練習中に息切れするようになり、血液の難病が発覚。レギュラーから外れ、3カ月間入院した。

 退院後も激しい練習ができず、闘病の傍ら練習の手伝いをしていたが、今年5月、「グラウンドで少しでもみんなの近くに」と、医師の許可を得てノッカーを買って出た。

 今大会、小林君の代わりに中堅手を務めたのは2年生の五十嵐翼君(17)。大会直前、小林君からバッティンググローブを借りた。そのグローブで七回、ヒットで出塁すると、花咲徳栄に食らいつく2点目のホームを踏んだ。「先輩の気持ちを引き受けてプレーしたかった。来年はベスト16を目指します」。小林君の思いがつながった。

毎日新聞埼玉版)