「全力応援」大舞台で躍動 応援団部部長山村香織さん

 「カッセーッ、トークハルッ!」。大太鼓のバチを持つ左手に自然と力が入った。マメのできた手に巻いたテープには「全力応援」の文字。振り下ろすバチで打つ音がスタンドに響いた。

 幼い頃から野球が好きで、中学時代はソフトボール部に、花咲徳栄では「球児のそばにいたい」と、部員ゼロだった応援団部に入った。野球部の助けもあって部員は5人に増え、OBに教わった応援を練習してきた。

 力は男子に劣るかもしれないが、気持ちは人一倍。六回、反撃ののろしを上げる2点が入ると、思わず涙がこぼれた。「ここからいきますよ」。足を踏ん張って腰を落とし、腕を力強く振り回す動きで盛り上げた。

 猛攻も及ばず敗れたが、「甲子園に連れてきてくれてありがとう」と心の中でナインに礼を言った。「全力応援」の心意気で、夏も盛り上げるつもりだ。

(読売新聞埼玉版)