「低い速い打球徹底」 花咲徳栄、2日連続シート打撃

 チームは24日、午前9時から同校グラウンドで約7時間の全体練習を行った。

 メンバーはアップ後、室内3カ所でマシンをセット。午前中いっぱいを使ってバントとエンドランの練習をし、体に染み込ませた。午後は、シートノックで基本を確認してからシート打撃を実施。投手陣は球は放らずランニング、チューブトレ、シャドーに取り組んだ。関口はシート打撃に打者として加わった。

 2日連続で行ったシート打撃では前日に飛球アウトが多かった点を考慮し、「低くて速い打球を徹底しよう」と話し合ってから臨んだ。山本竜、松本、若月、古川、森大、関口がそれぞれ3安打を放つなど、初日に比べれば甘い球を捉えられる確率は上がってきた。

 それでもタイミングが合わず、簡単に打ち上げてしまう場面も少なくない。4番の若月は「限られた時間の中で、どれだけ実戦に近づけられるか」と、残りの期間で最大限の準備を重ね、本番を迎える気概を示した。

◇復調の裏に地道な研究 山本竜

 暗いトンネルの中でもがき苦しんでいた切り込み隊長の山本竜に光が差し込んできた。

 前日のシート打撃では満足のいく打席が1度もなく、「打つ度にフォームが変わってしまう。不安だらけ」と沈んでいた。しかし、この日は10打席で安打は3本だったが「ほっとしました」と晴れやか。どうやら何かをつかんだようだ。

 昨晩、寮の部屋でオフシーズンに入る前の絶好調時の映像を1時間ほど見ていたら、今の自分のフォームと違う点に気付いた。もともとホームベース寄りのラインぎりぎりに両足を置き構えるタイプ。そこからさらに右足をクロス気味に踏み込む。外角を狙いながらも内角をさばける技術の高さが持ち味だ。

 だが現在は、自然に立ってみると構えた時点で右足が開いていた。そこをすかさず修正。この日は外角は強く左へ。また外角を待ちつつ、内角を右前へとはじき返した。

 昨秋は7番として活躍したが選抜大会からは1番としての期待が高い。「感覚は良くなった。でもまだ逃しているボールがある。率を上げるため、一球を大事にしたい」。満足はしてないが、やっぱり表情は明るかった。

埼玉新聞