秋季関東高校野球、27日開幕 選抜懸け15校激突

 来春の第85回選抜大会への最終関門となる高校野球の第65回秋季関東大会は27日、群馬県上毛新聞敷島球場などで開幕。関東6県の代表15校が、選抜大会出場が確実となる4強以上を目指し熱戦を展開する。埼玉からは2年連続で花咲徳栄浦和学院が出場。27日に3連覇と3年連続の選抜出場を狙う浦和学院が、銚子商(千葉2位)と、28日には埼玉大会で4年ぶり3度目の優勝を飾った花咲徳栄横浜隼人(神奈川2位)とそれぞれ1回戦を争う。埼玉代表2校を戦力分析する。

◇4強入り地力十分 浦和学院

 今夏の甲子園で16強入りし、新チームの始動は約1カ月遅れた。しかし、上尾との準々決勝では九回に4点差をひっくり返しサヨナラ勝ちするなど、地力で4年連続14度目の出場にこぎつけた。初戦は伝統校の銚子商、勝てば群馬1位の前橋育英。実力的に4強以上のチャンスは十分ある。

 期待したいのがエースに成長した1年生左腕小島。目を見張る球速ではないが、内外角への制球力は折り紙付きで、埼玉大会では37回を自責点3、防御率0・73と安定感抜群だった。打線が前チームほど強力でない分、小島の踏ん張りが3年連続選抜大会出場の鍵を握りそうだ。

 投手陣は6人。右腕涌本はツーシームが武器で完投能力を備える。右上の伊藤と左横の渡辺の使えるメドが立ったのも大きい。守備は決勝で4失策したが、甲子園経験者の捕手高田、遊撃手竹村を軸に基本的には堅い。

 チーム打率3割3分2厘の打線は竹村、山根、高田と前チームの主力が健在。1番竹村は4割9厘と高打率で、3番山根と共に好機をつくり、チーム一の7打点と勝負強い4番高田に回したい。下位打線は渡辺、斎藤がいずれも4割を超え、頼もしい。機動力も駆使し相手守備陣をかき回す。

◇投打に高い完成度 花咲徳栄

 盤石の戦いぶりで2年連続8度目の出場を果たした。今夏のスタメンが6人残る布陣は完成度が高く、一度のリードも許さずに県大会を制覇。初戦は横浜隼人、準々決勝は習志野(千葉1位)―桐生一(群馬3位)と決して簡単な相手ではないが、3年ぶり3度目の選抜出場へ、期待が膨らむ。

 強みは7試合で防御率0・34を誇る投手陣。3投手がほぼ同じ投球回数ながら、柱は準々決勝で8回無失点、準決勝では1失点で完投した右腕関口だ。140キロ近い直球でぐいぐい押し、スライダーなどの変化球も鋭い。決勝で浦和学院を6安打2失点に抑えた左腕小栗も球威がある。右腕の小暮は16回無失点。

 捕手若月は強気のリードが光る。強肩で盗塁阻止率は高い。守備陣は山本竜、楠本の二遊間を中心にフットワークがいい。けん制球の暴投による1失策だけと伝統の堅守は相変わらずだ。

 左を6人並べる打線は3割3分8厘。基本に忠実でコースに逆らわずに打ち返す。二塁打計16本と、各打者とも外野手の間に打つ技術が高い。4割5分を超える4番若月の前に走者をためるためにも野沢、松本の1、2番の奮起は欠かせない。下位では7番山本竜がチャンスメークに長け、返し役にもなれる。

埼玉新聞