浦和学院、聖光学院に圧勝 26年ぶり16強

 第94回全国高校野球選手権大会第9日は17日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦3試合を行い、1回戦で8年ぶりに夏の甲子園で白星を挙げた浦和学院は、聖光学院(福島)に11−4で圧勝。鈴木健(元西武)を擁し、初出場で4強入りした1986年以来、26年ぶりの16強に進出。就任21年目の森士(おさむ)監督にとっては初の2回戦突破。浦和学院は大会第11日の19日、第3試合で準々決勝進出を懸け、天理(奈良)と対戦する。

 戦前の予想は浦和学院・佐藤、聖光学院・岡野の両右腕の投手戦。だが、1回戦の高崎商(群馬)戦で完封したエース佐藤が、一回に相手主砲の園部に先制3ランを浴びるまさかの展開で試合はスタートした。

 慌ててもおかしくない状況だったが、浦和学院打線はすぐさま反撃を開始した。直後の二回、1死一、二塁から西岡が左中間へ2点二塁打を放つと、さらに2死三塁から竹村の中前タイムリーで同点。竹村が二盗後、林崎が右前適時打を放って、あっという間に逆転に成功した。

 押せ押せムードの中、三回には、笹川の2試合連続アーチと、緑川の左前打で2点を追加。岡野に9安打を浴びせ6得点。1回戦で日大三西東京)打線を1点に抑えた好右腕を降板させた。

 六回には竹村、佐藤、笹川の3本の二塁打で3点を加え、八回には佐藤が自身甲子園6試合目にして初のアーチを右翼スタンドに描いた。

 終わってみれば毎回の18安打で11得点の圧勝。下位打線から上位につなぎ、上位がさらに強打に点火させる理想的な攻撃を披露した。

 投げても佐藤が、二回以降は変化球主体の投球に切り替え、ソロ本塁打による1点にとどめて4失点完投。

 初回の劣勢をすぐさま跳ね返した打線について森監督は「選手が慌てず、積極的に振ってくれたことに勇気付けられた。落ち着いて野球がやれていて、たくましくなっている」とナインの成長に目を細める。19日の天理戦に向け、「相手は強いのは分かっている。この舞台で試合ができる喜びを前面に出して戦いたい」と意気込んだ。

埼玉新聞