浦和学院、堂々の行進 夏の甲子園が開幕

 第94回全国高校野球選手権大会は8日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開会式を行い、埼玉代表で4年ぶり11度目出場の浦和学院など49代表校の球児による15日間の熱戦が幕を開けた。

 真夏の太陽の下、開会式は午前9時に開始。3万4千人の観衆が見守る中、南から北の順に出場校が入場行進し、38番目に登場した浦和学院は足並みをそろえ、堂々と行進した。

 選手宣誓は酒田南高(山形)の下妻貴寛主将が行った。また、東日本大震災の被害が深刻だった東北3県から球児3人も招待。宮城農高の佐々木大地主将が開会式の入場行進の先導役を務め、始球式で双葉高(福島)の猪狩駿投手がマウンドから大槌高(岩手)の金野利也捕手に白球を投げた。

 浦和学院は大会第4日の11日、第1試合で群馬代表の高崎商と対戦する。

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 ナインは8日、午前9時から開会式に参加し、3万4千人の大観衆が見守る中、はつらつと入場行進した。

 その後、午後1時半からは兵庫県伊丹市の住友総合グラウンドで約2時間の練習に臨んだ。

 シートノック、シート打撃のほか、フリー打撃ではマシンの左変化球、左投手の2カ所で打ち込み。ファウルゾーンでは、速球にセットされたマシンでバント練習を入念に繰り返していた。

 開会式直後の試合をチームは観戦。福井工大福井が初回に3点を奪い、4―2で勝利したことを目の当たりにし、森監督は「立ち上がりが大事だね」と、あらためて実感した様子。遊撃手で1番の竹村も「守りだったらしっかりとリズムをつかむ。攻撃だったら相手を攻め込み点を取ること。練習から一発目を大切にしたい」と気持ちを入れ直していた。

◇あふれる喜び、戦う力に変え

 浦和学院が、夏の甲子園に帰ってきた。

 「リズムがずれないように気を付けた」という中堅手西岡の掛け声で、胸を張って堂々と聖地の土と緑の芝生を踏みしめたナイン。チームモットーでもある、「心の足並みのそろった全員野球」を、まずは入場行進で体現してみせた。

 選抜大会には2年連続の出場も夏は4年ぶり。三塁側の内野スタンドから、精悍(せいかん)な顔つきで行進するまな弟子たちを見つめた森監督は「ここに戻ってこられた」と言葉に実感を込める。携帯で行進写真を撮って、お世話になった人にお礼のメールを送信したという。

 埼玉開催だった2010年の秋季関東大会から一新した、白を基調とした縦じまのユニホーム。甲子園の真夏の日差しを浴びるのは初めてだ。優勝旗を持ってチームの先頭を歩いた主将の明石は「やっとスタートラインに立てた。目標を達成できるチャンス。自分たちの代でウラガクの新たな歴史をつくりたい」。全身からあふれ出た喜びを、激戦を勝ち抜くエネルギーに変えるつもりだ。

埼玉新聞