埼玉栄、きょう健大高崎と準決勝 春季関東高校野球

 第64回春季関東高校野球大会は22日、県営大宮球場で予定されていた準決勝2試合が降雨中止となり23日に順延となった。会場、開始時間に変更はなく、埼玉栄は初の決勝進出を懸け高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦する(10時)。

 朝8時から降り始めた雨は徐々に強まり、9時25分に中止決定。第1試合を戦う予定だった埼玉栄健大高崎の両チームの選手たちは、すでにアップを終わらせていたが、中止の連絡を受けると道具や荷物をまとめ、足早にバスに乗り込んだ。

◇平常心で“足”封じろ

 選抜大会4強の健大高崎は、考える走塁を柱に据えた機動力野球が大きな武器だ。選抜大会では、4試合で16個の盗塁を記録。ベスト4入りへの大きな原動力となった。

 埼玉栄の細淵監督は準決勝について、「間違いなくロースコアの接戦になる。雨で投手が休めたからなおさら」と展望。代名詞である“足”をいかに封じるかが、初の決勝進出を手繰り寄せるポイントとなりそうだ。

 健大高崎は、東海大甲府(山梨)との準々決勝でも2−2の九回2死満塁の場面で、二塁走者がわざと飛び出し、投手がけん制したのを見て、三塁走者が本塁へ走り込み生還。慌てて本塁へ送球した遊撃手の悪送球を誘い、二塁走者まで本塁を陥れ、2点を勝ち越した。遊撃手鈴木は「足を使ってくるのは分かっている。しっかりと捕球し、ベースの上に投げること」と基本の大事さを説く。

 ただ大事なのは、過剰に意識しないことだ。先発の可能性があるエースの左腕本間は「走者をあまり気にしないようにしたい」と冷静に見据え、主将で強肩捕手の高橋も「慌てると崩されてしまい、相手の思うつぼ。普通に守れば問題ない」と強調した。当たり前のプレーを当たり前に―。埼玉栄ナインが平常心を貫き、好敵手を打ち破る。

埼玉新聞