所沢商、6年ぶりベスト8 春季高校野球県大会

 (29日・上尾市民ほか)

 第5日は3回戦の4試合が行われ、浦和学院、春日部東、所沢商、川口が8強進出を決めた。

 所沢商は六回に斉藤の適時打で突き放し、白岡の追撃を3−2で振り切った。2回戦で第2シード花咲徳栄を下した川口は、丸山の2点三塁打で逆転し、滑川総合との接戦を3−1で制した。春日部東は四回に松尾の中前打と押し出し四球で2点を勝ち越し、立教新座に4−2と逃げ切った。3年ぶりの優勝を狙う第1シード浦和学院は12安打9得点の猛攻で所沢北に圧勝した。

 第6日は30日、県営大宮と上尾市民で3回戦の残り4試合を実施し、ベスト8が出そろう。

◇接戦で攻守キラリ 所沢商

 2戦連続で接戦をものにした所沢商が6年ぶりの準々決勝に進出。10安打を浴びながら2失点にまとめた渡会は「好守に助けられた」と胸をなで下ろし、福地監督も「いい面が出ている」と勝負強さを評価した。

 三回まで毎回の好機で一本が出ずに重苦しい空気が漂った。1点を追う五回、1死一、二塁で1番土屋が高めに抜けた変化球を、左前へ同点適時打。これに浮足だった白岡内野陣がミスを連発し、敵失で勝ち越した。

 故障中の右かかとの痛みに耐えながらチームに流れを呼び込んだ土屋は「チャンスを無駄にしたくない」と“関東切符”を懸けた一戦へ意欲を燃やした。

◇我慢強く流れ守る 川口

 川口が2試合連続延長サヨナラ勝ちで波に乗る滑川総合に競り勝った。

 「最後まで集中力があった」と鈴木監督。エース右腕高窪が二回に先制されたが、三回1死二、三塁から丸山の2点三塁打ですぐさま逆転。四回は失策が重なり無死二塁を招いたが、捕手松崎が遊撃手三浦とのアイコンタクトで二塁走者をけん制球で刺した。

 安打数では下回り、失策数では上回ったものの、流れを渡さず我慢強く戦い抜いた。丸山は「一戦ずつ勝つ」。松崎も「大切に戦いたい」と関東大会は意識せず、あくまで平常心を貫くつもりだ。

◇総力戦で逃げ切る 春日部東

 3投手の好継投で逃げ切った春日部東が準優勝した2006年以来の8強入り。公式戦初先発の小貝は「要所で低めに投げられた」と3回を1失点。中野監督も「きょうは総力戦。思ったより早く点が取れた」と小さく拳を握り締めた。

 2番手熊谷も「全員の力で勝つことができた」と2回を1失点に抑え、連投の丹羽が六回から被安打0の快投。好リリーフを見せた丹羽は、準々決勝の浦和学院戦へ「ストライク先行で打ち取って行ければ」と闘志をみなぎらせた。

◇エース不調も“打”に光明 浦和学院

 12安打9得点。浦和学院打線が徐々に本来の力強さを取り戻してきた。

 上尾との2回戦は合わせにいく打撃が目立ったが「練習から大振りするぐらいのフルスイングを意識してきた」と3安打の西岡。一回に佐藤の2点打で先制すると三回には4安打に盗塁など機動力も絡め4点を奪った。

 先発佐藤はキレ、制球とも本調子ではなく4回を1失点ながら被安打7。ただ森監督は「全体的にまだまだ」としながらも「佐藤が良くない中で打線はよくカバーした」と収穫も口にしていた。

■3回戦

【県営大宮】

所沢北
0010000=1
204111x=9
浦和学院
(7回コールド)
【所】小田、加藤、小林−中沢
【浦】佐藤、野村、小島−林崎
二塁打 笹川(浦)

川口
002000001=3
010000000=1
滑川総合
【川】高窪−松崎
【滑】永井、伊藤−和栗
三塁打 丸山(川)中山(滑)

上尾市民】

立教新座
100010000=2
10020001x=4
春日部東
【立】木下−龍造寺
【春】小貝、熊谷、丹羽−中村豪
三塁打 及川(春)
二塁打 西村(春)

白岡
000100001=2
00002100x=3
所沢商
【白】島田、小山−福田
【所】渡会−金浜
二塁打 竹内(白)橋爪、金浜(所)

埼玉新聞