16強出そろう 春季高校野球県大会

 (28日・上尾市民ほか)

 第4日は2回戦の残り3試合が行われ、春日部東、南稜、所沢北が勝ち、今夏の全国高校選手権埼玉大会のシードとなる16強が出そろった。

 春日部東は蕨との26日の延長十五回引き分け再試合を5−2で制した。2−2の七回に西村の決勝タイムリーなどで3点を勝ち越した。所沢北は延長十一回、細田の決勝打で富士見との接戦を6−5で制した。南稜は延長十回に竹原の2点中前打などで3点を挙げ、7−4で西武文理を退けた。

 第5日は29日、県営大宮、上尾市民で3回戦4試合が実施される。

◇計24回、貫いた信念 春日部東

 県内では史上初となった両校無得点での引き分け再試合から水入りを挟み2日。終始先手を握った春日部東が蕨との熱戦に終止符を打った。中野監督は「競り勝てたことは大事な経験」と安堵(あんど)していた。

 勝利への執念で上回った。2−1の七回に先発丹羽が同点打を浴び、なおも2死二塁で2日前に15回を投げ抜いたエース田中を投入。右腕は「勝ちたい気持ちだけだった」と後続を一邪飛に切って取り、流れを引き戻した。

 その裏、四球や安打などで1死一、三塁を築くと西村が「前の試合では初球の直球が甘かった」。その初球を振り抜き左前に落とす決勝打。さらに2死二、三塁から敵失に乗じ2点を追加した。

 主将の若月は「自分たちのプラスになる。次も絶対に勝ちたい」。2試合で一度もリードを許さず、計24回を2失点で耐え抜いたナインの表情には自信がみなぎっていた。

◇夏へ向けた収穫と課題 蕨

 得意の接戦に持ち込んだ蕨だが、終盤に突き放され一歩及ばなかった。

 「攻撃力がいまひとつだった」と黒須監督。安打が出た四、七回は、ともに盗塁など武器の機動力を絡め、得点に結び付けた。だが、その以外の回では、走者をなかなか出せず、相手をかく乱させることがなかった。

 それでも、1回戦を含め計37回を一人で投げ抜いた2年生小副川の成長は大きな収穫だ。左腕は「自信もついたが、詰めの甘さも出た。3カ月でつくり直したい」と夏に向けて成長を誓った。

■2回戦

上尾市民】


000100100=2
00110030x=5
春日部東
【蕨】小副川−飯塚
【春】丹羽、田中−中村豪
本塁打 若月(春)

【所沢航空】
南稜
1020000103=7
2000000200=4
西武文理
(延長10回)
【南】高瀬、佐野−中田
【西】遠藤、桑畑−橋本、内田
三塁打 北出、菅原(南)荒井(西)
二塁打 高橋(南)

所沢北
10010102001=6
00400100000=5
富士見
(延長11回)
【所】小田−中沢
【富】鈴木、大内、小川−上條
三塁打 中沢(所)谷口(富)
二塁打 中沢、細田、小林(所)

埼玉新聞