プロ野球ドラフト、県内から2人指名 笑顔で活躍誓う

 プロ野球の新人選択(ドラフト)会議が27日開かれ、大宮武蔵野高卒でホンダの佐藤達也投手(25)がオリックスの3位、坂戸西高から東京国際大に進学した伊藤和雄投手(21)が阪神の4位にそれぞれ指名された。

◇「家族の支えに感謝」 大宮武蔵野高卒 ホンダ・佐藤達也投手

 最速152キロの本格派右腕、佐藤投手は「その時」を、狭山市の会社の寮のテレビ中継で見守った。オリックスに指名されると、「ほっとしました」と笑顔を見せた。

 さいたま市西区出身。地元の指扇中で野球を始め、大宮武蔵野高に進学し、外野手から投手に転向した。3年の夏は埼玉大会2回戦で敗退し、甲子園出場を果たせなかった。

 北海道東海大に進学すると頭角を現し、3年でリーグ最優秀投手・ベストナインに。だが、4年はけがに苦しみ、プロ志望届を出したが指名されなかった。

 兄3人と姉3人の7人きょうだいの末っ子。家庭は経済的に苦しかったが、家族がいつも支えてくれた。念願のプロ指名に「ありがとうと伝えたい」と話す。「早く戦力になって、『佐藤が出てきたら大丈夫』と思ってもらえるような投手になりたい」。力強く抱負を語った。

◇「直球で押す」宣言 坂戸西高卒 東京国際大・伊藤和雄投手

 「指名されるかわからなかった分、本当にうれしい」。阪神に指名された東京国際大(川越市)の伊藤投手は、そう喜びを語った。

 東京都新宿区の大学施設。午後6時半ごろ、一報を受けると、緊張した面持ちが、ようやく安心した表情に。周囲の部員から歓声と拍手で祝福された。

 小川町出身。中学時代は控えの二塁手だったが、坂戸西高に入学し、投手に転向した。3年の夏は埼玉大会3回戦で終わった。

 「上を目指すならそんなんじゃダメだ」。大学3年の秋、古葉竹識監督から精神面の弱さを指摘された。走り込みや投げ込みを率先してこなし、今春の東京新大学リーグでチームは優勝。MVPにも輝いた。古葉監督は「周りの選手に負けない気持ちを持って、強くなってほしい」とエールを送る。伊藤選手は「直球でガンガン押していきたい」と意気込んだ。

朝日新聞埼玉版)