秋季関東高校野球きょう開幕 選抜出場へ県勢あす初戦

 来春の第84回選抜高校野球大会への最終関門となる第64回秋季関東高校大会は29日から7日間、山梨県小瀬スポーツ公園野球場で行われる。関東6県の上位2校と開催県3校を合わせた計15校が出場。選抜大会出場が確実となるベスト4以上を目指し、熱戦が繰り広げられる。埼玉からは浦和学院花咲徳栄が出場。県大会で3年連続12度目の優勝を飾り、連覇を狙う浦和学院は、30日の1回戦で昨秋の関東大会決勝で対戦した東海大相模(神奈川2位)と激突。同準優勝の花咲徳栄は31日、今夏の甲子園で4強入りしたメンバーが多く残る作新学院(栃木1位)と1回戦を争う。埼玉代表2校の地区、県大会の成績と戦力分析を紹介する。

浦和学院

 打率3割8分1厘、全7試合で2桁安打をたたき出した強力打線を武器に、大会連覇と2年連続の選抜大会出場を目指す。

 今夏主力で佐藤、笹川、石橋、竹村が強打をけん引。中でも3番佐藤の打撃センスはピカイチだ。15安打、15打点はいずれもチームトップ。171センチと小柄ながら3本塁打と長打力も抜群で、準決勝の聖望学園戦では逆転サヨナラ2ランを放った。初球から迷いなく振り切れる度胸もある。

 4番笹川は打率では佐藤を上回る。長打力に加えて7四球と選球眼にたけ、好機も演出できる。11打点の6番石橋、10得点の1番竹村は広角打法。このほか2番林崎、9番緑川は小技が利きしぶとい。主軸は足が速く、機動力も駆使し、大量点を狙う。

 投手陣はチーム防御率1・41と安定しているものの柱が不在。継投で乗り切る展開となりそうだが、1年生右腕の涌本と山口に注目したい。涌本は、県大会5試合中3試合に先発。20回3分の2で2四死球と制球力がある。花咲徳栄との決勝で3失点完投の山口は、変化球でカウントを稼げるのが強みだ。左横の1年生渡辺はロングリリーフが可能。昨秋は大車輪の活躍で、関東制覇の原動力となった右腕佐藤の復活にも期待が懸かる。

 守備陣はセンターラインを中心に、3失策と堅い。つまらないミスに気を付ければ、より一層攻撃にリズムが生まれる。

花咲徳栄

 今夏の甲子園メンバーがほぼ入れ替わり、主力の過半数は1年生が占める若いチーム。初戦は作新学院、突破しても横浜と対戦する可能性が高い。厳しいブロックだが、攻守に伝統のしぶとさを発揮し、狙うは2年ぶり3度目の選抜出場だ。

 投手は夏もベンチ入りした右上の上田が大黒柱。切れ味ある直球と多彩な変化球をコーナーに決め、県大会では決勝を除く4試合で先発し、全てで完投。防御率2・66は平凡だが、準決勝の春日部共栄戦では10失点しながらも投げ切った粘りの投球が身上だ。控える小暮、中川の両1年生右腕が県大会ベンチ外だっただけに、今大会もエースの出来が命運を握る。

 1年生捕手若月の強気で巧みなリードは光るが、バックを支える守備陣の13失策は気掛かり。特に佐伯、山本の二遊間で計七つは多い。上田が打たせて取るタイプだけに、確実にアウトを積み重ね攻撃につなげたい。

 打線は派手さはないが勝負強い。ともに10安打の3番楠本、5番関口、間に挟まれる藤原を含めて左が並ぶ主軸はミート力が高く、左投手も苦にしない。唯一の本塁打を放った6番若月は、4割2分9厘、打点9といずれもチームトップ。今大会もポイントゲッターとなりそう。打率が2割台中盤の山本、山崎の1、2番が奮起すれば攻撃に厚みが増す。高打率を誇る森は怖い9番打者だ。

埼玉新聞