花咲徳栄、あす初戦 仕上がりに手応え

 花咲徳栄は9日の1回戦で、智弁和歌山との初戦を迎える。チームは7日、午後1時30分から京都府のNTT西日本淀総合運動場で2時間30分の調整を実施した。

 バントとエンドランだけで試合を進めるバントゲームを約30分行い、その後はフリー打撃に約1時間30分を割いた。午前中には宿舎でミーティングに臨み、智弁和歌山の試合を映像で確認した。

 大阪入りしてから各打者の調子にばらつきが見られたが、岩井監督は「打撃は全体的に悪くない。仕上がってきた」と本番へ手応えを見せた。

◇鋭い当たり連発、9番金子が好調

 9番金子が劇的に生まれ変わった。6日のフリー打撃中に岩井監督の指導を受けると、直後から柵越えも含め鋭い当たりを連発。右ひじを伸ばして前で球を捉えるように修正し、この日の練習でも好調だった。「めちゃくちゃ良くなった。あれだけ打てると気持ちがいい」と納得する。

 県大会では打率4割。飛距離ではチーム一を争う。智弁和歌山の左腕については「雑誌では最速140キロとか書いてあるが、それほどじゃない」。甲子園で驚きの一撃が飛び出す可能性は十分だ。

花咲徳栄×智弁和歌山 監督対談

 4日目第4試合で対戦する花咲徳栄の岩井隆監督と智弁和歌山高嶋仁監督が対談し、お互いのチームの印象や、理想の試合展開などを語った。

 −対戦相手の印象は。

 岩井「強い。それだけ。投手、攻撃、守備すべてにおいて穴がないし、経験値が高い」

 高嶋「打撃のチームかと思ったが、バランスが取れている。しぶとい。なかなか負けにくいチームなのではないか。印象はがらっと変わった」

 −警戒する選手は。

 岩井「全員だが、強いて挙げるなら1番嶌君。この子が出塁して得点されると一気に行ってしまう」

 高嶋「中軸はもちろん下位打線も割と打つ。その中でも3番大塚君は両方向に打てるいい選手。投手の北川君はあまり点を取られていない」

 −理想の展開は。

 岩井「七回まで何とかくっついていき、その後は選手が球場の雰囲気や相手に慣れてきたところで開き直れたらいい」

 高嶋「点をやらないようにしないと。2−1とか3−2とかローゲームでいきたい。先に点を取られると厳しい」

 −期待する選手は。

 岩井「4番白石に3割ぐらい打ってほしい。あとは投手。タイミングをずらすようにしないといけない。外野3人は今まで以上に守らなければ」

 高嶋「1番が打つとムードが良くなる。投手はこちらが点を取るまで取られてほしくない。(左腕の)青木がいくようになるでしょうね」

 −震災への思いは。

 岩井「うちのチームには福島から来ている子もいるし、加須市には双葉町から避難されている方もいる。高校野球を通して努力していく可能性を見せないといけない」

 高嶋「被災した人が高校野球を見て、いいなと思える試合をしたい。真摯(しんし)な態度で一生懸命やることが一番。それがさわやかな印象を与える」

埼玉新聞