花咲徳栄、初戦は智弁和歌山 全国高校野球

 第93回全国高校野球選手権大会(6日から15日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪国際会議場で行われ、10年ぶり2度目の出場となる花咲徳栄は大会4日目の9日、第4試合で甲子園常連校で選抜大会ベスト8の智弁和歌山と1回戦を争うことが決まった。

 花咲徳栄の広岡翔太主将は緊張した面持ちで出場49校中19番目にくじを引き、29番のカードを引いた。抽選順が最後の49番目だった智弁和歌山の中村恒星主将が残っていた30番の札を引いた。

 智弁和歌山は戦後最長記録に並ぶ7年連続19度目の出場で、春1度、夏2度の優勝を誇る全国屈指の強豪。高嶋仁監督は甲子園通算最多の61勝という記録を持つ。

 抽選で3回戦までの組み合わせが決定。開会式の選手宣誓は金沢の石田翔太主将が務める。直後の開幕試合は健大高崎(群馬)と今治西(愛媛)の顔合わせとなった。

 準々決勝の組み合わせ抽選は大会第11日の第1試合終了後、準決勝の抽選は第12日の第1試合終了後に行う。

◇「厳しいけど楽しみ」

 主将の広岡が出場49校中19番目にくじを引いた後、相手がなかなか決まらない。一体どのチームが入ってくるのか。花咲徳栄ナインは固唾を飲んで見守っていた。

 あと3校になって、聖光学院(福島)、光星学院(青森)など強豪校が残っていたが、結局春夏合わせて3度の優勝を誇る智弁和歌山が最後の49番目に飛び込んできた。

 インタビュー会場に表れた広岡はどこか引きつったような表情。「ここまで来たらどこも関係ない。自分たちの野球ができればいい」と気を取り直して言葉をつないだ。

 対して岩井監督はあふれる笑みを抑えることができない。「本当に楽しみ。高嶋監督とできるとは。甲子園でなければまず対戦できない」と興奮する。誰もが知っている強豪校だからこそ、対戦することの意味は大きい。

 エース北川は「正直厳しい相手だけど、気持ちは吹っ切れた」。岩井監督も「いい試合になると思う」と自信を見せた。相手にとって不足なし。腹は決まった。あとは県大会で見せた堅実な野球を大舞台でも発揮し、全力で立ち向かうだけだ。

埼玉新聞