甲子園の目標再確認 花咲徳栄

 チームは30日、同校グラウンドで午後1時から約5時間、休憩を挟みながら軽く調整を行った。

 ウォームアップ、キャッチボール、トスバッティングの後、内野手と投手はノックをこなし、外野手はダッシュを繰り返した。その後、野手は室内練習場で打撃マシンを相手に打ち込み、投手はランメニューに移った。

 岩井監督は選手に対し、「まだ大会は終わっていない。心のどこかにおごりがあったり、調子に乗ってはいけない」と呼び掛け、甲子園へ向けた目標を再確認させた。

◇秋の記念球、手元に

 県大会決勝で好守備を見せ、優勝の原動力となった中堅手の田中。29日は主将の広岡とともに県庁などを表敬訪問したため、この日が本格的な練習再開となり、打ち込みなどで汗を流した。

 決勝では美しいスライディングキャッチでウイニングボールをつかんだ。「時間がないから」と自分で持っていたが、渡すのを忘れてしまい、学校に戻ってからちょっとした騒動に発展。探しに来たコーチに手渡した。

 ボールを渡した代わりに名雲部長から大切なボールを返してもらった。昨秋の県大会、初戦の市川越戦で放った先頭打者アーチ。記念のボールだが、完敗したために「夏、優勝したら渡す」という約束で預かってもらっていた。「その負けがあったから強くなれた。自分の原点」と思い返す。

 春からつなぎ役の2番に定着。身長164センチと小柄ながらパンチ力もあり、本来は積極的に打って出るタイプ。甲子園への抱負は「感謝する心を忘れずみんなと一日でも長くプレーしたい」。走攻守そろった攻撃的2番打者として大舞台でも暴れ回るつもりだ。

埼玉新聞