徳栄、日大三に完敗 春季関東高校野球

◇猛攻浴びても直球勝負

 挑戦者として臨んだ春が終わりを告げた。花咲徳栄は、強打を誇る選抜大会4強の日大三に完敗。それでも、岩井監督は「夏に向かって、何をやらないといけないか、明確になった」と敗戦の中にも手応えを感じていた。

 全国の強豪に真っ向勝負を挑んだ。エース北川は、相手主砲の横尾に2本塁打を浴びるなど被安打18、11失点。それでも四球はわずかに1と、どれだけ打たれようが逃げなかった。

 北川は「真っすぐで勝負した」と話し、捕手白石も「逃げるくらいなら打たれた方がまし」と信念を曲げなかった。エースの後ろ姿にバックも応えた。速い打球に対してしっかりとあごを引き、腰を落として死守。日大三が3失策だったのに対し、花咲徳栄はゼロ。決して自滅はしなかった。

 自分たちの弱さを自覚し、冬のつらい練習に耐えたチームは劇的に変わった。主将の広岡は「このいい経験を今度は夏に生かしたい」と力を込めれば、指揮官も「また泥臭くやりますよ」と飛躍を誓う。また猛練習の日々が始まる。夏に大きな花を咲かせるために。

◇振り切って金子2安打

 初戦の2打点に続いて花咲徳栄の金子が2安打1打点の活躍。

 四回の2死二塁の好機では「体を開かず、逆方向を狙った」とレフト線へ適時打。振り切る打撃が好結果につながっている。新チームでは9番を務めるが、中学時代は常に4番。「気楽に打てる。試合で役割を果たすのが大事」と打順にこだわらない。

 県大会から通算打率4割と期待に応えた。夏に向けて「甘い球を逃さない。勝負強さも身に付けたい」と課題を挙げた。

■準々決勝
日大三(東京)
010320014=11
011100001=4
花咲徳栄
【日】田中、関悠−鈴木
【花】北川−白石
本塁打 横尾2(日)
三塁打 大塚(花)
二塁打 畔上、横尾2(日)

 花咲徳栄は、日大三の主砲横尾に2本塁打を浴びるなど被安打18、失点11と完敗した。

 花咲は三回に白石の適時打で勝ち越した。しかし、四回に四球を挟む4連打と犠飛で3点を奪われ逆転されると、その後は相手の強打に次々と失点を重ね突き放された。

 先発北川は際どいコースを見極められ、甘い球を痛打された。守備は無失策と堅かった。

埼玉新聞