花咲徳栄、延長サヨナラ 春季関東高校野球

◇辛抱強く粘り勝ち

 しぶとさならどこにも負けない。花咲徳栄が延長にもつれ込む熱戦にサヨナラ勝ちで終止符を打った。岩井監督は「よく粘った。相手も見事で、こういうゲームがしたかったんだ」と満足そうに振り返った。

 13安打で4得点。14残塁。数字だけ見れば拙攻に映るかもしれない。だが、チーム一丸でつかんだ勝利にほかならない。九回は1死満塁、十回は2死三塁と、二回連続でサヨナラの好機を逸した。それでもチームは決して下を向かなかった。迎えた十一回1死満塁、今度は新井が左犠飛を放ちようやく決着をつけた。

 先発沢幡は被安打11ながら要所での制球がさえ、3失点完投。背番号14は「辛抱強く投げていれば、味方が打ってくれると信じていた」とチーム力を強調する。失策が出ても投手が踏ん張り、最後は打線が応えた。

 「選手たちは強くなりたい気持ちが強い」と岩井監督。県大会初戦で敗れた昨秋の屈辱をばねに、1試合ごとに成長を遂げる選手に目を細めていた。

◇新井が終止符

 花咲徳栄の5番新井は、九回2死満塁のサヨナラの絶好機で二ゴロに倒れた悔しさを押し殺して、打席に立った。

 延長十一回1死満塁。「初球しかない」。言葉通り初球の甘いスライダーを振り抜くと打球は左翼へ。犠飛には十分の飛距離で、三塁走者古谷がゆうゆうとサヨナラの生還を果たした。

 殊勲者は「絶対に勝ちたかったから」と一瞬笑顔を見せたが、次戦に向けてすぐに気を引き締め、誓った。「チームのために盛り上げて、一戦一戦全力でやりたい」

■2回戦
樹徳(群馬)
01000020000 =3
00100200001x=4
花咲徳栄
(延長11回)
【樹】矢野−廣瀬
【花】沢幡−白石
三塁打 高実子(樹)
二塁打 風間(樹)金子、長尾(花)

 花咲徳栄が3−3の延長十一回、先頭の長尾が中前安打で出塁し、犠打野選、敬遠などで1死満塁とすると、新井の左犠飛で試合を決めた。13安打で14残塁と課題も残った。

 先発の沢幡は粘り強さが光った。被安打11ながらも要所を締め、3失点で完投勝利。

埼玉新聞