鷲宮 善戦も8強逃す 秋季高校野球関東大会

(2日・県営大宮ほか)

 第2日は1回戦残り4試合が行われ、鷲宮は6−9で前橋育英(群馬1位)に敗れ、8強入りを逃した。

 今夏の全国選手権で準優勝した東海大相模(神奈川2位)は木更津総合(千葉1位)を5−3で下し、横浜(神奈川1位)は7−6で高崎商(群馬2位)を振り切った。霞ヶ浦(茨城2位)は甲府工(山梨1位)に12−8で勝った。

 第3日の3日は準々決勝が行われ、浦和学院千葉経大付(千葉2位)と対戦(12時30分・県営大宮)。春日部共栄は水城(茨城1位)と顔を合わせる(10時・市営大宮)。

■1回戦
鷲宮
102012000=6
20041200x=9
前橋育英

【鷲】栗田、増渕−遠藤
【前】池田−金子

本塁打 牛崎(前)
二塁打 井田、高橋亮(前)

 鷲宮は2投手が17安打を浴びて9失点し、前橋育英に打ち負けた。

 鷲宮は1−2の三回2死満塁、深井の2点適時打で逆転。だが、先発栗田が制球に苦しみ、四回に3ランを浴びるなど4失点し再逆転された。五回途中から救援の増渕も六回につかまった。

 五、六回にも深井の犠飛などで反撃したが、八回1死満塁のチャンスで得点できず万事休した。

◇エース降格で奮起 増渕、投打に活躍

 県大会の背番号1が意地を見せた。今大会では背番号「3」に変更した増渕が五回1死二、三塁で栗田を救援。3点を失ったが、「エースを取られ悔しかった」と負けん気は人一倍。力のある直球でぐいぐい押し、県では4試合17四死球と不安定ながら、この日は無四球と安定していた。

 打っては2安打1打点。リードオフマンとして3度出塁し、すべて本塁に生還した。「逆方向へ強い打球を打つことを練習し、きょうはいい当たりができた」。これからも投打のキーマンであることは間違いない。

◇“つなぎの4番”3打点

 “つなぎの4番”が仕事をこなした。新チームから主砲を任される深井が3打点の活躍。1点を追う三回2死満塁で「野手の間に落とす安打で点を取ろうと思った」と、内角につまりながら二塁手の頭上をわずかに越える2点適時打を放った。

 県大会は7試合でわずか1打点。「長打力はない。5番につなげようと思っている」と役割をわきまえる。3点を追う五回には中犠飛も放ち、一人気を吐いた。「すべてにおいてスピードが違った」。関東で感じた課題を春までの財産にする。

◇関東でも示した粘り

 3点を追う八回1死満塁。一打出れば試合の流れが変わる場面で、1番増渕、2番関口がともに初球を簡単に打ち上げてしまった。12年ぶりに出場した鷲宮が初戦敗退。柿原監督は「チャンスで結果が出せるかどうか。技術、自信、冷静さ。そういう面が欠けていた」と悔しがった。

 栗田、増渕の両左腕が計17安打、9失点と打ち込まれた。先発栗田は制球が定まらず、四回まで毎回先頭打者を出すなどリズムがつくれない。1点を追う三回に4番深井の2点タイムリーを放ち1度は逆転したが、四回に栗田が同点に追い付かれた後、3ランを浴びた。

 だが、ナインはあきらめなかった。県大会から快勝した試合は一度もない。準決勝では浦和学院に大敗し、「多少失点しても落ち着けるようになった」と主将の遠藤。五回に1点、六回に2点を返し、強敵に食らいつく姿勢を関東でも見せた。

 「新チームから選手は成長した。堂々としていたし、よく頑張ったと思う」と柿原監督。粘り強さの下地はできた。一冬越えてさらに磨きをかけて帰ってくるはずだ。

埼玉新聞