視力低下で人一倍努力 市川越3年・江沢一輝一塁手

 4回戦までの3試合で11打数5安打、3打点と打撃絶好調。試合後、「左目が見えにくい分、考え過ぎずに思い切って振れました」と充実感を見せた。

 昨夏は2年生ながら3番打者としてチームを8強に導いた。しかし昨年10月、練習中に左目が痛み、視界が真っ白になった。コンタクトレンズが原因の角膜の病気だった。

 1週間入院したが左目の視力は戻らず、キャッチボールの球さえ捕れなくなった。練習する仲間を横目に走り込みの日々。眠れないこともあったが、医師から「練習して慣れるしかないよ」と諭されたのをきっかけに、「今までの倍の努力をしよう」と吹っ切れた。

 視力が戻り始めた3月からボールを使った練習を再開。ティーバッティングも1日200本から400〜500本に増やした。フォームも、ぎりぎりまで球を見極められるよう振りを小さくした。

 視力は右目の1・2に対し、コンタクトを付けられない左目は0・3。まだ白くかすむが、「見えなくなって努力の大切さに気づけた。次も勝って8強以上に行きたい」と笑顔で語った。

毎日新聞埼玉版)