仲間とつなぐ投球実る 浦和西3年・清水謙志郎投手

 浦和西らしい「投手がつなぐ野球」が粘りのサヨナラ打を生み出した。

 先発は2年の松原功将君(17)。五回から3年の清水謙志郎君(17)が中継ぎ、九回表は3年の冨沢翔太君(17)が打者3人で仕留め、その裏の攻撃をリズムに乗せた。「ダッシュ練習を頑張っている冨沢と一緒に投げたかった」。エースナンバーを背負う清水君は顔をほころばせた。

 小学生のころから投手だった。高校入学時、「高校では努力しないと勝てない」という父利昭さん(47)から、一冊のノートを渡された。「ピッチャーズバイブル」と名付けられたノートには、指導本から切り抜いた投球フォームの写真が張られ、解説文が手書きで写し取ってあった。

 努力が実り、背番号「1」を付けたが、「自分の役目は中継ぎ」と言い切る。この試合の継投も自分で決めた。昨夏の対児玉戦。五回から登板したが、延長十回に四球で押し出し、チームは逆転負けした。スタミナ不足とともに、仲間と協力しチームで勝つ大切さを実感したという。

 「次の投手がつないでくれる。頑張っているやつらみんなが試合に出られたらいい」と笑顔を見せた。

毎日新聞埼玉版)