戦後初、秋春同一4強 春季県高校野球
(1日・県営大宮ほか)
第6日は準々決勝4試合が行われ、シード4校が順当に4強入りした。秋季県大会と春季県大会のベスト4が同じ顔触れになったのは戦後初めて。
第3シード川越東は5−1で成徳大深谷を下し初のベスト4に入った。第4シード坂戸西は2−1で昌平に競り勝ち、12年ぶり2度目の準決勝進出。花咲徳栄は朝霞を1−0で破り、浦和学院は4−1で上尾を退けた。4強入りは浦和学院が4年連続15度目。花咲徳栄は8年ぶり7度目。
川越東は高梨が4打点を挙げ、投げては猪岡が1失点で完投。花咲徳栄は松本が被安打6の無四球で完封した。坂戸西は吉川の2打点と長島の好投で接戦を制し、浦和学院は序盤に先行し、好継投で逃げ切った。
第7日の準決勝は3日、県営大宮で浦和学院−坂戸西、川越東−花咲徳栄の顔合わせで行われ、勝者が関東高校大会(5月15日から5日間・茨城)に出場する。
◇「川越東初のベスト4」
川越東は投打の主軸が活躍し、成徳大深谷に快勝した。
川越東は1点を追う四回無死二、三塁、高梨の2点中前適時打で逆転すると、八回にも高梨が2点適時打を放った。猪岡は二回に先制されたものの、好守備にも支えられ、立ち直った三回以降はわずか1安打に抑えた。
成徳大深谷は三回無死三塁の好機で無得点に終わり、流れを失った。
◇「坂戸西接戦制す」
坂戸西は左腕・長島の好投が最大の勝因。スコア以上の快勝だった。
長島はコーナーを丁寧に突く投球で被安打4、与四球1、10奪三振。九回の本塁打以外は五回、八回のピンチも無失点で抑えた。打線は11安打で13残塁と拙攻も目立ったが、3安打の8番吉川が貴重な2打点を挙げた。
昌平は2点を追う八回無死一、二塁で走者を送れなかったのが響いた。
・ピンチにも冷静な投球
2点目を奪った後の八回、坂戸西のエース長島は初の四球を与え、無死一、二塁とこの試合最大のピンチを迎えた。送りバントを狙う昌平の秋山を低めのスライダーで2球続けてファウルさせると、最後は真ん中の直球で投前にバントさせて三塁封殺。「思ったとおりだった」という長島は続く2人も打ち取って事なきを得た。
直球とスライダーを高低左右に投げ分けて凡打の山を築いた。被安打4の10奪三振に長島は「走者が出たら力を入れるけれど、それまでは打たせていく」と涼しい顔だ。
11安打で13残塁の攻撃は課題だが、それも毎回休まず攻め続けた結果。野中監督は「勝てるときに勝っておきたい。夏は頭に入れていない」と一戦必勝を誓う。昨秋の県大会準決勝で敗れた浦和学院を倒し、12年ぶりの関東大会出場は目前だ。
◇「徳栄松本が完封」
花咲徳栄の右腕・松本が朝霞打線を6安打、無四球で完封した。
松本は外角低めを丁寧に突き、直球主体の投球で朝霞打線をほんろう。先頭打者を許したのが二、三回のみと安定した投球で、三塁すら踏ませなかった。打線は一回無死1塁から、大塚の適時二塁打で1点を奪った。
朝霞は九回1死から連打で好機を築いたが、後続が倒れた。
◇「浦学4年連続進出」
浦和学院が阿部の好救援で上尾の追撃を振り切った。
浦和学院は2点差とされた五回1死満塁の場面で、2番手阿部に交代。阿部は二者連続三振でピンチを切り抜けると、その後も安定した投球で反撃を許さなかった。
上尾は先発伊藤が九つの四死球を与えながらも粘り強く4失点に抑えたが、好機で打線がつながらなかった。
・阿部が好救援 窮地を脱す
浦和学院が好救援で上尾の反撃を断ち切った。森監督は「阿部がよく放った。この時期は公式戦を一つでも多くやることで、培われるものがある」と収穫を口にした。
五回1死満塁。先発南が制球を乱し、押し出しの四球で2点差に詰め寄られた。森監督はここで、即座にエース阿部にスイッチ。阿部は4番伊藤をフォークで空振り三振、5番小島をスライダーで空振り三振に打ち取って、窮地を脱した。
阿部は六回以降も抜群の安定感を発揮。今春から確立された継投策を見事に締めくくった。背番号1は「先発でもどこでも、自分の投球で相手をねじ伏せるだけ」と闘志をみなぎらせていた。
(埼玉新聞)
▽準々決勝
上尾
000010000=1
12000010x=4
浦和学院
【上】伊藤−河合
【浦】南、阿部−久保
朝霞
000000000=0
10000000x=1
花咲徳栄
【朝】尾崎−安部
【花】松本−木内
坂戸西
000001010=2
000000001=1
昌平
【坂】長島−安斎
【昌】高橋、槇谷、酒井−岩崎
▽本塁打 市川(昌)
▽三塁打 長島(坂)
▽二塁打 吉川(坂)、小泉(昌)
成徳大深谷
010000000=1
00030002x=5
川越東
【成】鶴巻、大塚、新井−浜田
【川】猪岡−山田
▽三塁打 石川(成)