花開け・徳栄のセンバツ:元球児でトレーナー・堀田さん、悔しい思いさせない

◇けがで夏に初戦負けの経験

 センバツで活躍する花咲徳栄ナインのコンディションを支える人がいる。5年前から同校のトレーナーを務める草加市の堀田亮さん(30)。今大会は監督に頼まれチームに同行し、試合や練習後に選手たちをマッサージしている。

 23日夜。ナインが泊まる兵庫県伊丹市のホテルの一室で、うつぶせになった木村駿斗選手(3年)が「いてててて」と顔をしかめた。「今日は少し硬いな」。堀田さんが木村選手の背筋を親指で繰り返し強く押す。約30分後、木村選手は「軽くなりました」と大きく腕を回した。

 堀田さんは他校のトレーナーもしながら、花咲徳栄に普段週2日通う。「筋肉が硬くなるとけがをする。ほぐして予防することが重要なんです」。元高校球児。97年夏に岩倉(東東京代表)の捕手として甲子園に出場した。当時股(こ)関節を痛め、鎮痛剤を飲んで大会に臨んだが、思うようにプレーできず初戦敗退した。「徳栄の選手には僕のような悔しい思いをしてほしくない」と語る。

 岩井隆監督は「選手たちがけが無く大会を迎えられたのは、堀田さんのおかげ」と感謝する。選手たちも「兵庫の宿舎までついてきてくれて、心強い」と喜ぶ。

 2回戦の相手は、秋の北信越大会で準優勝した敦賀気比(福井)。堀田さんは「次の試合もベストコンディションで出してあげたい」と笑顔で話した。

毎日新聞埼玉版)