『気持ちは選手と一緒』 マネジャーに転向の花咲徳栄・井上陽平君

 第82回選抜高校野球大会に出場している花咲徳栄。野球部を陰で支えているのが、マネジャーの井上陽平君(三年)だ。

 もともとは二塁手。「強い高校で挑戦したい」と同校に入学したが、レギュラーの壁は厚く、一年の秋ごろにマネジャーへの転向を打診された。選手への思いが強く悩んだが、「監督、部長のそばで多くを学べる」と決意した。

 仕事は練習の手伝い、来客対応、連絡役など多様。今月上旬の沖縄合宿では、飛行機内の忘れ物を確認に行き、誤ってほかの人の荷物を持ってきてしまうという苦い経験も。

 「抜ける時もあるが、メリハリを付けている。忙しいけど楽しいです」といつも笑顔で取り組む。名雲浩部長(47)も「誠実な子だし、よくやっている。監督や選手の信頼も厚い」と評価する。

 二十一日の初戦では記録員としてベンチ入り。興奮でペンを持つ手が震えた。「夢の甲子園でベンチに入れた。すごいことだと思うし、気持ちは一緒です」。目標の全国制覇へ選手とともに戦う。

東京新聞埼玉版)