花開け・花咲徳栄:センバツに挑む選手たち/4

◇毎晩素振り繰り返す−−寺井聖明選手(2年)

 昨秋の公式戦で3割6分4厘の打率を残した左打ちの6番打者。上位打線がつくったチャンスを、単打を放ち確実につないできた。寮や練習の合間によくギャグを言い、チームの雰囲気を明るくするムードメーカーでもある。

 小学1年のとき、グラウンドで練習する少年野球のユニホーム姿にあこがれ野球を始めた。中学3年まで投手だったが、「バッティングが好き」と高校に入り野手に転向。毎晩、自主練習で素振りを繰り返し、「甲子園では全打席でヒットを打つ」と意気込む。

 将来の夢は体育の教員だ。「昨年父が亡くなりつらかった時、先生に励まされ助けられました。僕も生徒の気持ちが分かる先生になりたい」

◇人の3倍努力の4番−−戸塚瞬選手(2年)

 勝負強さを買われ、昨夏の新チーム結成後に4番打者に抜てきされた。昨秋の公式戦は11試合で本塁打2本を含む14打点。打率も3割9分と好成績だが、「もっと率を上げたい」とマシンに向かいバットを振り続ける。

 ベンチプレス100キロを上げる腕力の持ち主。毎朝6時半から打撃練習するストイックな姿勢は、チームメートからも一目置かれている。

 「自分はもともと下手なので、人の3倍の努力が必要なんです」と笑顔を見せる。寮ではコメディー映画やマンガを見て気分転換している。

 中学のころ、練習後のランニングは母親が一緒に走り、応援してくれた。「母には苦労をかけた。甲子園で優勝して、ありがとうと言いたい」

毎日新聞埼玉版)