聖望、初戦に全力 球児の熱戦・8日開幕

 6年ぶり3度目出場の聖望学園が初戦で対戦する都城商は28年ぶり2度目の出場。宮崎大会計5試合で無失策と堅守のチーム。聖望学園も堅い守備を身上とするだけに、拮抗した戦いが予想される。

 ここを抜けると2回戦では左の好投手、池田と月田をそろえる熊本工か、主砲宮武ら長距離ヒッターが並ぶ強力打線の三重との対戦が控える。どちらが勝ち上がっても聖望学園はエース佐藤、信田ら投手陣の出来がポイントになりそうだ。

 勝ち上がると、3回戦の相手は前回8強で左腕岡田を擁する智弁和歌山になりそう。聖望学園の代名詞となった機動力で対抗したい。

 注目は全国屈指の左腕、菊池雄を擁する花巻東(岩手)だ。今春の選抜大会では東北勢初の甲子園優勝にあと一歩届かなかった。この夏こそ悲願達成なるか。

 しかし、1回戦は選抜優勝の清峰を長崎大会で破った長崎日大が相手だ。2回戦では激戦区の神奈川代表の横浜隼人、3回戦でも東北(宮城)か日大三西東京)が立ちふさがることが予想される。花巻東の打線は強力とは言えず、菊池雄が投げ勝つしかない。

 優勝争いは花巻東のほか、帝京(東東京)、日大三の東京勢、PL学園(大阪)、中京大中京(愛知)などが中心か。

 帝京は平原を軸に140キロ台を投げる投手がそろい、打線は強打だけでなく機動力も備える。ただし帝京も厳しいゾーンに入った。初戦の敦賀気比(福井)の左腕山田は福井大会4試合で49奪三振の好投手。3回戦では破壊力のある九州国際大付(福岡)との対戦か。日大三中京大中京はチーム打率5割近い強打線。PL学園は8試合で12本塁打の長打力を誇る。

 例年の打力のチームとは違い、エース岡田を中心とした守りのチームの智弁和歌山は組み合わせに恵まれた。ともに春夏連続出場の明豊(大分)と興南(沖縄)は1回戦で激突。エースで4番の秋山が引っ張る西条(愛媛)もこのゾーンに入った。

 東北勢は東北、酒田南(山形)、聖光学院(福島)など実力校がそろう。花巻東とともに悲願達成の期待がかかる。

埼玉新聞