シード勢軸にV争いか 公立校の実力派投手に注目

 春季県高校野球大会は25日、各地区大会を勝ち抜いた40校が参加して開幕。決勝は5月5日に行われる。上位2校が関東高校大会(5月16日から5日間・群馬)に出場するほか、上位16校が全国高校選手権埼玉大会(7月10―29日)のシード権を獲得。今大会は初戦から好カードがめじろ押し。し烈な争いとなりそうだ。

 優勝争いは花咲徳栄、川口青陵、春日部共栄、栄北のシード勢を中心に個人能力の高い浦和学院が絡んだ展開が予想される。

 第1シードの花咲徳栄は、優勝した昨秋の県大会から大幅にポジション変更。投手の柱が昨秋の左の五明から制球力のある右腕東谷に変わった。打線は主軸の永田らに得点力があり、守備力も布陣刷新で上がった。初戦の2回戦から攻守で粘り強い鷲宮との顔合わせで、気の抜けない戦いとなる。

 投打の大黒柱、左腕野川を擁する第2シードの川口青陵。上位から下位までそつがなく、単打でつなぐ攻撃は健在だ。スライダーの切れが増した野川と、好捕手沼口のバッテリーを攻略するのは容易ではない。

 第3シードの春日部共栄は総合力に定評がある。右のエース中村は最速143キロの直球が武器。左腕下大沢も復調し、5人が名を連ねる投手陣は駒がそろっている。初戦で対戦する昨夏の全国高校選手権に出場した本庄一がヤマ。萩原と伊藤と左右の好投手を前に、打撃陣がどこまで奮起できるかが鍵を握る。

 栄北は創部以来初のシード入り。破壊力抜群の攻撃が売りだ。地区大会2試合で4番の加瀬田が2本、エース佐々木が1本と本塁打3本を含む計12本を放った長打力は脅威。投手も速球派の右腕佐々木、制球力ある右腕高橋がそろう。

 昨夏の甲子園出場の浦和学院は左の羽倉、右の真島らと投手陣が豊富。打線に例年の豪快さはないが怖い存在だ。昨夏の全国高校選手権北埼玉大会準優勝の上尾は本木ら打線が活発。聖望学園は昨春の選抜大会準優勝メンバーで、エース左腕佐藤の球威が増した。市川口は左の小陽を軸に投手層が厚い。埼玉栄は好右腕の島野、東農大三はエース斉木の出来が勝敗を左右しそう。

 このほか公立校に実力派投手が目立つ。富士見の竹生、所沢商は土屋と瑞慶山の2本柱、大宮東の古谷、大宮西の木村、和光の佐野らも面白い。

埼玉新聞