夢は咲く・花咲徳栄:第85回センバツ高校野球/3

◇甲子園では目立ちたい 松本隼平選手(2年)

 甲子園を初めて訪れたのは中学2年の時。足を一歩踏み入れると、スタンドの大観衆と大きなグラウンドが眼前に広がり、選手たちの熱気が伝わってきた。「ここに立ちたい」。甲子園を目指すことを心に誓った。

 中学時代に投手から内野手に転向。打球への反応が早く、送球も素早い。難しいゴロをさばいた時は思わず笑みがこぼれる。「野手の方が楽しい」。センバツに向け厳しい練習が続くが、「甲子園という目標があるから頑張れる」と力強い。

 昨秋の公式戦は満足のいく成績を残せなかった。時折、気持ちの弱さが顔をのぞかせることもあるが、「甲子園ではいいプレーをして目立ちたい」。大舞台に立つことを心待ちにしている。

◇もう一度勝ちたい 楠本泰史選手(2年)

 内野の要の遊撃手。「投手を楽にできるような守備をしたい」。根元俊一選手(千葉ロッテマリーンズ)らが務めてきたポジションだけに、人一倍思い入れが強い。

 1年時からレギュラーとなり、徳栄打線の中軸を担う。抜群のバットコントロールで、どのコースにも対応し広角に打ち分ける。昨秋の公式戦は3割5分を超える高打率を残したが、4割に届かず満足はしていない。「自分が情けない」。自らを奮い立たせ、さらに練習に打ち込む。

 横浜市出身。中学3年の時、所属していたシニアチームで全国制覇した。「『勝ち』の喜びを知った。だからもう一度勝ちたい」。両親への感謝の気持ちは「優勝」で表すつもりだ。

毎日新聞埼玉版)