大塚英男・県高野連新会長インタビュー

 本年度から県高校野球連盟の新会長に大塚英男氏(入間向陽高校長)が就任した。かつて松山高を率いて夏の埼玉大会で準優勝するなど、高校野球の最前線で指導してきた経験をどう生かすのか、抱負などを聞いた。

―松山高の監督など長年、指導者として活躍し、再び会長として高校野球の現場に戻ってこられた心境、抱負は。

 「監督、役員としてお世話になり、今度はこのような形で恩返しできることを光栄に思う。献身的な役員の先生方が陰で大会運営に携わってもらいありがたい。より一層、県高野連が発展するように微力ながらやっていきたい」

―県内開催だった関東大会を振り返って。

 「全般的に投手力が弱かった印象。上位にくるチームは県内のチームよりも“守備での肩”と“足”が優れていた」

―埼玉代表校の戦いぶりは。

 「埼玉としてはフレッシュな高校が多い中、4校それぞれが持ち味をよく出せていた。特に、南稜は0−4から後半になり、少ないチャンスを生かし、2−4まで追い上げた。まさに県大会での戦い方だった」

―その中で埼玉栄が4強。

 「安定した投手力と守備力があった。守りから攻撃につなげていって、いい形ができていた」

―今夏の選手権地方大会から、部員不足(8人以下)の高校による連合チームの公式戦出場が認められた。

 「大歓迎。そういう学校が集まって合同練習して出てくるということで、当該校の励みになる。部員も勇気付けられる。目標が与えられただけに、出る限りは全力で1勝を狙ってほしい」

―元監督の目から見て、高校野球のどのような点が変化したと感じる。

 「守備。良い悪いは別にして、シングルキャッチとランニングスローが増えた」

高校野球の果たす役割は。

 「少年野球を始めて、中学、高校と進んでいく中で、ほとんどの選手にとっては一つの集大成。夢や希望を抱き、いちずな気持ちでユニホームを着ることは、高校以降はあまりないと思う。お世話になった人の中には、少年野球からお世話になった人も含まれる。いろいろな人に応援され、見守られていることに感謝して、悔いのないように夏の大会では頑張ってほしい」

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 大塚英男氏(おおつか・ひでお)埼玉県高校野球連盟会長。入間向陽高校長。松山高−埼玉大。1976年に豊岡高に赴任。松山高の監督として1984年夏の埼玉大会で同校を過去最高の準優勝に導いた。滑川高(滑川総合高)、日高高などを経て現職。川越市出身。58歳。

埼玉新聞