白岡、初の16強 春季高校野球県大会

 (26日・上尾市民ほか)

 第3日は2回戦の計6試合が行われ、春日部東−蕨は延長十五回、0−0で引き分け再試合となった。両校無得点での引き分け再試合は史上初。白岡はエース右腕島田が蓮田松韻を6安打完封の2−0で下し、創部36年目で初となる夏のシード権を獲得した。

 滑川総合は、九回に渋谷のソロで追い付くと4−4の延長十四回、和栗のサヨナラ3ランで正智深谷を振り切った。このほか埼玉栄成徳大深谷、狭山ケ丘がベスト16に進出した。

 所沢球場の2試合が雨天順延されたため第4日は27日、上尾市民で春日部東−蕨(12時)、所沢では西武文理−南稜(10時)富士見−所沢北(12時30分)の計3試合が行われ、16強が出そろう。

※27日の試合は雨のため28日に順延となりました。

◇新たな伝統へ一歩 白岡

 エース島田の快投で16強入りを決めた白岡が、創部36年目で初めて夏のシード権を獲得。鳥居監督は「最後まで集中してよく頑張った。新たな伝統の一歩を踏み出せた」と喜びをかみ締めた。

 9回を散発6安打にまとめる完封劇を演じた島田は「出来過ぎで困る」と満面の笑み。「僅差の勝負だと思っていたので初回から全力で行った」と、変化球を主体にテンポよく投げ続けて流れを呼び込んだ。

 二回に2死満塁から押し出しで先制すると、四回には2死三塁から島田自ら左前へ適時打を放った。バックも雨でグラウンド状況が悪化する中、無失策の堅守でエースを援護した。

 主将の原田は「創部以来初のシード校として、胸を張って堂々と勝負したい」と先の戦いを見据えていた。

◇無得点引き分け 県内史上初

 県立校の意地がぶつかり合った息詰まる投手戦は、春日部東の田中、蕨の小副川がそれぞれ15回を2四球完封。県内史上初となる延長15回両チーム無得点の引き分けで、決着は27日の再試合へ持ち越しとなった。

 「試合前はかなり緊張したが、自分の投球ができてよかった」と春日部東の田中。多彩な変化球で被安打4の10奪三振。「練習試合でも連投しているので明日も行ける」と頼もしいコメント。

 蕨の小副川は「抑えたい気持ちが強かった」と尻上がりに制球の鋭さが増した。前々日の市川口戦と合わせ29回を投げ抜いた2年生左腕は「今は野球がすごく楽しい」と目を輝かせていた。

◇接戦もお手のもの 狭山ヶ丘

 地区大会2試合で35点を挙げ強打の印象が強い狭山ヶ丘だが、この日は違った勝ち方を見せた。

 一、四回は三塁に走者を進め敵失で確実に1点ずつ奪うと、2−1と迫られた八回には、暴投と宮崎のセーフティースクイズで2点を追加し、逃げ切りに成功。普段から接戦を想定した練習に力を注いでいる成果を発揮し、山田監督も「いい形で勝てた」とうなずく。

 8強を懸けて戦う春日部共栄には昨春、夏ともに惜敗している。4番小湊は「先輩たちの分もリベンジしたい」と、大一番に闘志を燃やした。

◇しぶとく加点 成徳大深谷

 投打のがっちりかみ合った成徳大深谷が快勝。

 一回に先制されたが四回、武沢の中前打で同点とし、昨秋はメンバー外だった堀田が「必ず甘い球がくる」と2ボールからフルスイング。左越えに2点二塁打を放った。六回には一邪飛で進塁した福島陽を三塁に置き、酒井のボテボテの一ゴロが内野安打。しぶとく貴重な追加点を奪った。泉名監督も「流れが良かった」と満足そうだ。

 それでも、飛球のアウトが多かった点などを反省し「勝ちにこだわる野球をしたい」と主将の福田。ひたむきに次の1勝も、もぎ取るつもりだ。

■2回戦

【県営大宮】

成徳大深谷
000301100=5
100000000=1
朝霞
【成】酒井−福島陽
【朝】小峰、中野−木川
二塁打 堀田、工藤(成)

東農大三
000000101=2
10010002x=4
狭山ヶ丘
【東】大嵜、石山−金子研
【狭】紺野、武藤、坂倉−伊藤
二塁打 猪又(東)

上尾市民】

000000000000000=0
000000000000000=0
春日部東
(延長15回)
【蕨】小副川−飯塚
【春】田中−中村豪

蓮田松韻
000000000=0
01010000x=2
白岡
【蓮】山口、橋本−関口
【白】島田−福田
二塁打 岡本(蓮)

【熊谷公園】
桶川
100100000=2
10024000x=7
埼玉栄
【桶】加藤、桜田、加藤−上岡
【埼】佐藤大、芝崎−高橋、溝呂木
二塁打 宮崎(桶)西本(埼)

正智深谷
01000300000000 =4
20000100100003x=7
滑川総合
(延長14回)
【正】小林天、市之瀬、市村、鈴木、岩田−金田
【滑】伊藤、永井、森田一−和栗
本塁打 渋谷、和栗(滑)
二塁打 浅見(正)和栗、笠原2(滑)

埼玉新聞