本庄東、初の8強 埼玉栄、土壇場で一気猛攻

 (27日・県営大宮ほか)

 第4日は3回戦8試合が行われ、今夏に続き史上初めて私立校がベスト8を独占した。本庄東が蕨に7−3で快勝し、創部46年目にして初の8強入りを果たした。

 埼玉栄は九回に2点差を追い付き、立教新座に延長十一回の末、5−4でサヨナラ勝ち。昌平のエース広橋は武蔵越生を2安打完封した。狭山ケ丘は六回に一挙5点を奪い正智深谷を下した。浦和学院花咲徳栄春日部共栄聖望学園のシード勢は圧勝した。

 第5日は29日、県営大宮と市営大宮で準々決勝4試合が行われる。準々決勝からは有料試合(一般500円、中高生200円)となる。

◇明暗分けた勝負強さ

 1965年創部の本庄東がうれしい初の秋8強。就任20年目の田中監督は「考えもしなかった」と驚きを隠せなかった。

 4−3で迎えた七回の攻防が明暗を分けた。蕨は無死一塁から併殺で無得点。対する本庄東は先頭が四球で出塁すると3安打をまとめるなど3点を挙げ、大勢を決めた。

 2安打3打点の7番加藤は「ベンチからの仲間の声に応えたかった」と雰囲気の良さを強調。8月下旬の千葉遠征が変化のきっかけとなった。敵、味方関係なく好プレーをたたえる相手高の姿を目にし、「周りが見えなかった」ナインの心が触発された。今は仲間がミスしたらカバーし合うようになった。

 次は浦和学院に挑む。「横綱相手にどこまで通用するか」と指揮官はチームの成長分に期待を寄せた。

◇昌平、強敵相手に完封

 相手が手ごわくなればなるほど燃える男だ。昌平の広橋が2安打完封し、武蔵越生の高木に投げ勝った。

 九回2死二塁で最後の打者をスライダーで三振に切って取ると、少しだけ左拳を握った。六回まで互いに0を刻んだ投手戦にも「試合を楽しむ余裕があった」。塚本監督に「広橋さまさま」と言わせた左腕は、階段を上るごとに輝きが増しそうだ。

埼玉栄、土壇場で一気猛攻

 土壇場の九回裏に2点差を追い付いた埼玉栄が延長十一回の末、立教新座にサヨナラ勝ちした。

 九回1死二、三塁から「初球から行くつもりだった」と2番鈴木が左中間への2点二塁打。細淵監督も「よく追い付いてくれた」とたたえる同点打で流れを引き寄せた。

 迎えた十一回二死満塁で4番坂本。甘く入った直球を右翼線へ運び、「仲間がつないでくれたので決めたかった」と喜んだ。

 6年ぶりの4強入りを掛けて花咲徳栄と対戦する。同点、サヨナラの生還を果たした芝崎は「シード校を倒して関東を目指したい」と闘志を燃やした。

◇松山、一度は逆転も直後大量失点

 花咲徳栄に挑んだ松山は、1点を先制された一回裏、金子、市川の適時打で2点を奪い逆転に成功したが直後の二回に5失点した。バント処理が暴投となる間に同点とされ、その後に3安打を浴びた。打線も二回以降は好機に凡退。それでも主将の金子は来年を見据え、「力の差は感じなかった。できることを一つずつやりたい」と巻き返しを誓った。

■3回戦
市川越
100000000=1
21200010x=6
浦和学院
【市】小島、中山、秋葉−冨岡
【浦】涌本、渡辺剛−林崎
本塁打 佐藤(浦)
三塁打 冨岡(市)
二塁打 竹村、佐藤(浦)

所沢商
00200000=2
11100114=9
聖望学園
(8回コールド)
【所】千葉、向笠、渡会、黒田−荒田
【聖】小林佑、川畑−中島
本塁打 田中(聖)
三塁打 安随、田中(聖)
二塁打 土屋(所)巻口、田浦(聖)

花咲徳栄
150100000=7
200000000=2
松山
【花】上田−若月
【松】岡本、金子−市川
二塁打 山崎、関口(花)

狭山ケ丘
000005000=5
010000010=2
正智深谷
【狭】武藤、小野−伊藤
【正】岩田、小林天、鈴木−金田
三塁打 伊藤、石川(狭)
二塁打 石川、桑山、小湊(狭)小林巧(正)

春日部共栄
1001700=9
0000000=0
春日部東
(7回コールド)
【共】青木、西沢、伊川−田村
【東】丹羽、小貝、田中−中村豪、吉田
三塁打 田村(共)
二塁打 板倉、吉田、村山(共)

立教新座
00000004000 =4
00010100201x=5
埼玉栄
(延長11回)
【立】木下−竜造寺
【埼】板橋、窪木−高橋
本塁打 木下(立)
二塁打 竜造寺(立)鈴木(埼)


001200000=3
02020030x=7
本庄東
【蕨】小浜、小副川−飯塚
【本】網倉−島村
二塁打 中林(本)

武蔵越生
000000000=0
00000011x=2
昌平
【武】高木−倉田
【昌】広橋−上野
三塁打 山村(昌)
二塁打 広橋、正木(昌)

埼玉新聞