公立の星・上尾 27年ぶり甲子園狙う

 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)埼玉大会の組み合わせが17日、決まった。近年の埼玉は私学勢が優位に立つが、今春の県大会で準優勝した公立の上尾は新井拓也主将(3年)を中心に全員野球で84年以来、27年ぶりの甲子園を狙う。福岡大会と北北海道・旭川、北見支部南北海道・函館支部の組み合わせも決定。また、地方大会は18日に全国のトップを切って沖縄で開幕する。

 相手がどのチームでも関係はなかった。7月11日の2回戦で三郷北と対戦することが決まった上尾の新井主将だが、その表情はいつもと変わらず自然体だった。

 「どこと当たっても自分たちのできることをやるだけです。全部の試合を決勝戦だと思って、目の前の試合を全力で戦います」

 近年の埼玉は浦和学院聖望学園本庄一など私学勢の躍進がめざましい。公立勢の出場は第80回記念大会で出場枠が2校あった98年に、埼玉栄とともに出場した滑川(現滑川総合)以来12年間も途絶えている。それだけに「私立には負けたくない。自分たちも負けていない部分はあると思う」と新井主将は強気だ。

 中学3年時に北埼玉大会で準優勝した上尾を見て進学を決意。父・祐司さん(45)からは「自転車で通える近くの高校の方がいいのでは」とアドバイスを受けたが、熊谷市からの電車通学を3年間続けた。選択が間違っていなかったことを証明する夏が来た。

 春夏通算7度の出場を誇る古豪だけに、練習見学に訪れる地元のオールドファンも多い。84年以来27年ぶりの甲子園を地域ぐるみでつかみにいく。

 ▼楽天仁村徹作戦コーチ(80年卒上尾OB)甲子園に出場できるように頑張ってほしい。監督は昔、僕の親戚の家に下宿していたんだ。

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