花咲徳栄、緻密な王者に隙なし 春季高校野球県大会

◇指示忠実に即修正 花咲徳栄

 細かな約束事を徹底する“トクハル”野球が勝つごとに精度を高めている。昨年王者の花咲徳栄が初の4強で勢いに乗る桶川に快勝。岩井監督は「(桶川の)左投手が来ると予想し、指示通りにうまく捉えられた」と満足の表情を見せた。

 一回無死満塁から白石の遊ゴロの間と新井の犠飛で2点先制したが、指揮官は不満を示した。「泳がされず、引っ掛けず、低く低く打て。タイムリーでかえせ」

 選手は試合中にしっかり修正した。四回2死三塁の好機をつくると、9番金子から4番白石まで5連打で一挙5得点。適時二塁打の白石は「センター方向を意識した」。2点適時打の田中も「浮いた球をたたく。フライではタイムリーにならない」と教えを実践した。

 これで関東大会出場は2年連続。岩井監督は「考えていなかった。出られる意味は大きい」。昨年の圧倒的な強さはないが、このチームもしぶとさでは引けを取らない。

◇夏のシード獲得も「挑戦者として」 桶川

 創部以来、初のベスト4へ進んだ桶川だったが、昨年の王者・花咲徳栄に完敗。エース武藤は一回に連打を浴び2点を失うと、四回に5失点。結局10−1のコールド負けとなった。

 それでも大野監督は「相手は横綱だし、武藤はよく投げた」と賛辞を送る。武藤は「挑戦者として向かっていく気持ちで最後まで投げられた」と上を向いた。チャレンジャー精神はチームに浸透していたようで、主将の針谷も「その気持ちが全員にあったから1点返せた」と悔しさの中から光を見いだしていた。

 夏はBシードとなるが、あくまで「挑戦者として臨む」と“桶高野球”を貫くつもりだ。

■準決勝

花咲徳栄
2005030=10
0001000=1
桶川
(7回コールド)
【花】北川、上田−白石
【桶】武藤、柏−土井、浜田
三塁打 大塚健(花)
二塁打 白石(花)

【戦評】
 花咲徳栄が11安打に5盗塁など小技を絡めて10得点し、桶川に七回コールド勝ちした。

 花咲徳栄は一回に内野ゴロと新井の犠飛で2点を先制。四回2死三塁では9番金子からの5連打で一挙5得点を挙げた。六回にも新井の2点適時打などで3点を奪った。

 桶川は先発武藤が甘い球を狙われ7失点。打線も散発4安打で1点を挙げるのがやっとだった。

埼玉新聞