“波乱の春” 実力伯仲 春季高校野球県大会

 春季県高校野球大会第8日は3日、県営大宮球場で準決勝が、上尾−浦和実(9時30分)桶川−花咲徳栄(12時)のカードで争われる。勝者は関東高校大会(14日から5日間・千葉)の出場権を得る。秋春連覇を目指した選抜大会出場の浦和学院が3回戦、秋準優勝の春日部共栄が準々決勝で敗退。2強が既に姿を消した“波乱の春”で、決勝の舞台に進むのはどこか。

■好調打線同士が激突

 19年ぶりに4強入りした上尾、シード校で唯一準決勝に残った浦和実。ともに打線が好調だけに、どちらが先に得点を重ねて主導権を握るか。

 上尾は県大会4試合すべてで先制し優位に試合を進めてきた。打線は1試合平均8得点と強力。5番伊藤、3番勝木田の左2人が軸だが、右の1番佐藤、6番河合も鍵になる。先発は準々決勝で登板なしの三宅が万全の態勢で備える。

 浦和実は準々決勝の大宮東戦で八回に一挙5点を奪い逆転勝ちした粘りがある。山口、大熊の1、2番で好機をつくり、鈴木、稲垣の主軸につなげる。投手は2年・早川が全3試合完投。中1日とはいえ疲労があるだけに打線が援護したい。

■前回王者に新鋭挑む

 連覇を目指す花咲徳栄に、創部初の4強入りと勢いに乗る桶川が挑む。地力は花咲徳栄が上だが、受けて立つようだと桶川の勢いにのまれる。

 花咲徳栄は持ち前の緻密な野球が戻りつつある。打線は勝負強い。昨年から主力の2番田中、3番大塚健のほか1番長尾、4番白石ら周りの働きが肝心。準々決勝で春日部共栄に競り勝ったことで自信を付けた。ミスを減らせば勝利は近い。

 桶川はよく鍛えられている。県大会初戦の昌平戦は七回に一挙8得点でコールド勝ちと爆発力があり、3回戦の鷲宮戦は左腕武藤が完封し1−0と粘り強い。打線は準々決勝で2安打2打点の3番畑野が勝負強く、強攻策がはまると勢いづく。

埼玉新聞