市立川口が浦学破る 春季高校野球県大会

(28日・県営大宮ほか)

 第5日は3回戦4試合を行い、市川口が選抜大会出場の第1シード浦和学院を9−7で破り、3年ぶりに準々決勝へ進出した。第2シード春日部共栄、昨年優勝の花咲徳栄、上尾も8強に入った。

 市川口は4−6の五回に近藤の2点二塁打などで3点を奪い逆転。その後も2得点し、浦和学院の反撃を1点に抑えた。

 上尾は三宅が6安打2失点で完投し、所沢北を5−2で下した。春日部共栄は三回に3得点し狭山ヶ丘に3−1で逆転勝ち。花咲徳栄は11安打で効率よく得点し、川口を9−5で退けた。

 第6日は29日、県営大宮と上尾市民で3回戦残り4試合を行い、ベスト8が出そろう。

◇真っ向勝負13安打9得点

 豪打爆発で王者を粉砕した。市川口が13安打9得点して浦和学院に打ち勝ち8強入り。「取られても打って取り返せばいい」と主将の斎藤。第1シードに名前負けするどころか真っ向勝負を挑んで大きな壁を越えた。

 エース佐藤を温存した相手投手陣を次々と攻略した。四回に4−6と逆転されたが、五回に近藤の逆転二塁打など2本の長打を浴びせて3点を奪い再逆転に成功した。

 8−6から1点返された九回にも山本の適時二塁打で加点。得点を許した4回のうち3度、次の回で点を取り返した。長井監督も「勝因はハート。臆することなく向かっていけた」と興奮気味に選手をたたえた。

 六回から4番手で登板したエース仲田も粘った。六回1死二、三塁では無失点、最大のピンチだった八回無死満塁は犠飛の1点にとどめた。

 ただ、ナインは勝っても満足しない。目標はもっと高い場所にある。好機での見逃し三振。10四死球の投手陣。強敵を倒した時ほど修正点を見逃しがちだが、「課題を改善し、関東大会に出る」。エースの引き締まった表情にこのチームのさらなる可能性を感じた。

◇粘って2失点完投

 両チームともに4失策ずつした乱れた試合で、上尾のエース三宅が2失点完投し、所沢北を下した。左腕は「打たれて気を引き締められた。きょうはいい投球ができたと思う」と汗をぬぐった。

 五回に味方の失策絡みで2点を失ったが、六〜八回は切り替えて三者凡退。2四死球と制球も良く、自責点0で抑えた。

 我慢の投球で勝利を呼んだエースについて捕手の河合は「今まで引いていたところが気持ちで押せていた」。高野監督も「落ち着いて粘り強く投げてくれた」とたたえた。

埼玉新聞

■3回戦

市川口
101231001=9
201300010=7
浦和学院
【市】古川真、高橋元、佐藤、仲田−山本
【浦】中山、浅田、松浦−林崎
本塁打 沼田(浦)
三塁打 小林(浦)
二塁打 小池、斎藤弘、山川、近藤、須永、山本(市)沼田(浦)

狭山ヶ丘
100000000=1
00300000x=3
春日部共栄
【狭】桜井−宇野
【春】沢田、岡、竹崎−田村、佐々木
三塁打 中川(春)
二塁打 山田(狭)佐伯(春)

上尾
020002100=5
000020000=2
所沢北
【上】三宅−河合
【所】原、羽田−中沢
二塁打 伊藤(上)

花咲徳栄
010020330=9
020010002=5
川口
【花】沢幡−白石
【川】荒井、川口−小暮
二塁打 金子、田中、大塚、沢幡(花)中村2、橋本(川)