埼玉栄逆転サヨナラ 秋季高校野球県大会

(26日・県営大宮ほか)

 第3日は2回戦の残り7試合が行われ、ベスト16が出そろった。

 埼玉栄は九回に3点を奪い、市川口に3−2で逆転サヨナラ勝ち。照井が決勝スクイズを決めた。所沢北は九回に山崎がサヨナラ犠飛を放ち、北本を3−2で下した。

 富士見は大宮西を7−5で振り切り、正智深谷は武蔵越生に7−3で快勝。そのほか浦和実、春日部東、聖望学園が3回戦に駒を進めた。

 第4日は28日、県営大宮など3球場で3回戦全8試合が行われ、8強が決まる。

◇実を結んだ“総力戦”

 あっという間の逆転サヨナラ劇だった。八回まで3安打無得点に抑えられていた埼玉栄が2点を追う九回に3安打を集中して3点を奪った。細淵監督は「九分九厘で負けだったが、最後まであきらめなかったのがよかった」とえびす顔を見せる。

 九回1死から敵失と石田の安打で一、二塁とし、浅見が初球を右翼線に同点三塁打。気落ちする相手のすきを見逃さず、続く照井がスクイズを決めた(記録は内野安打)。

 八回の守備から出場した照井は公式戦初打席。「バントは不安だったけれど、絶対自分で決める」と強い気持ちで打席に入った。投手4人、代打5人を含めベンチ入り19人を起用した細淵監督は「特別な選手はいない。総力戦で勝つしかなかった」。その姿勢が最後に実を結んだ。

◇納得の試合運び チームに手応え 正智深谷

 正智深谷が巧みな試合運びで武蔵越生に快勝。田中監督は「主導権を握り、理想的なゲーム展開ができた」と納得顔だ。

 0−1の一回の攻撃が大きかった。相手の2失策と死球、浅見の犠飛で同点とすると、その後も栗原、山田の内野安打などで計4点。四回には堀口、高橋の長打などで2点を加え、3点差とされた八回にはスクイズで1点を奪い、相手の反撃の芽を摘んだ。

 1回戦の栄北戦は九回に3点を奪ってサヨナラ逆転勝ち。「栄北戦で何かが吹っ切れた」と同監督が言えば、主将の梅津も「一戦一戦成長している」と胸を張る。次の相手はシード浦和学院。進化し続けるチームが強豪に挑む。

◇新ユニホームで逃げ切り9連勝 富士見

 新チームから採用する「藤(ふじ)色」のユニホームを着た富士見が、終盤の猛攻をしのいで3回戦進出。山崎監督は「選手にもいい薬になる」とほっと胸をなで下ろした。

 八回を終わって5点リード。勝利まであと2人としてからてこずった。それまで2安打2失点のエースが急変。3四球と3本の安打で、一発が出れば敗戦という瀬戸際まで追い込まれた。川口は「勝ちを意識してしまった」と申し訳なさげ。だが、辛くも後続を断ち切って勝利をつかんだ。

 藤色のユニホームを着てから、優勝した新人戦を含めてこれで9連勝。接戦を乗り切り、新ユニホームにまた一つ新たな勲章が加わった。

◇序盤の危機でスクイズ封殺 春日部東

 春日部東が序盤のピンチをしのぎ、所沢商を退けた。1点リードの四回1死満塁、公式戦初登板初先発の左腕熊谷が相手スクイズを本塁で封殺。その後六回に広川の適時打などで2点を奪った。「四回は1点は仕方ないと思っていた。追い付かれたらどうなっていたか」と中野監督。熊谷は「後ろに先輩の投手がいたので、落ち着いて投げられた」とはにかんだ。

【県営大宮】
■2回戦
市川口
000001010 |2
000000003x|3
埼玉栄
(市)仲田−山本
(埼)佐藤、近藤、板橋、松本−石田
本塁打 山本(市)
三塁打 浅見(埼)

春日部東
001002001|4
000000010|1
所沢商
(春)熊谷、中村亮、菅原−折原
(所)中原、千葉−吉田
二塁打 梅沢(春)

聖望学園
43000001|8
01000000|1
立教新座
(8回コールド)
(聖)松橋−渡辺
(立)星野、小寺−龍造寺
三塁打 龍造寺(立)
二塁打 斉藤2(聖)

【市営大宮】
■2回戦
浦和実
200013000|6
000110000|2
狭山ヶ丘
(浦)鈴木−上地
(狭)桜井、武藤−宇野
二塁打 大熊、稲垣(浦)

富士見
103100200|7
000100103|5
大宮西
(富)川口−今嶋、池田、今嶋
(大)安本、草薙−黒田
三塁打 小川(富)
二塁打 高田(大)

上尾市民】
■2回戦
北本
200000000 |2
001000011x|3
所沢北
(北)磯田、小竹−青木
(所)羽田、原−中沢
二塁打 羽田(所)

武蔵越生
100000200|3
40020001x|7
正智深谷
(武)新藤−白柳
(正)野村、芦沢−高橋
三塁打 高橋、堀口(正)
二塁打 佐藤(武)堀口(正)

埼玉新聞