花開け・徳栄のセンバツ:練習積み苦手の守備克服−−英勇気選手(3年)

◇初戦突破から一夜、走塁や打撃練習

 甲子園での初戦突破から一夜明けた22日、花咲徳栄ナインは兵庫県伊丹市の球場で午前11時から2時間、2回戦に向けて走塁や打撃の練習に励んだ。

 自信を深め、はつらつと動き回る選手たちの中でも特に充実した表情だったのは、一塁を守る英(はなぶさ)勇気選手(3年)。嘉手納戦では一塁線への強打を2度さばき、七回表には鋭い打球をグラブと胸に当てて止めた。「捕れなくても止める」という試合前の言葉通りの堅い守りだった。

 元は守備が苦手。昨年夏に特訓して向上したが、「センバツ前に不安を消したい」とさらに今年2月、福本真史コーチに頼んで1週間、毎晩100球のノックを受け続けた。

 「昨日は練習の成果が出ました」。この日の練習後、英選手は照れ笑いしながらも、すぐに表情を引き締め「でも、次に向けて気持ちを切り替えます」。

 佐藤卓也副主将(3年)も「昨日は集中しすぎて疲れたけど、楽しめました。早く次の試合がしたい」と意気込んでいた。

 球場には十数人のギャラリーの姿も。兵庫県宝塚市から友達3人と訪れた当山愛咲美さん(15)は「テレビで五明投手を見て、かっこいいと思ったので来ました」と目を輝かせていた。

毎日新聞埼玉版)