花開け・花咲徳栄:センバツに挑む選手たち/9

◇勝負強いパワー打者−−金久保俊選手(2年)

 勝負強さが自慢のパワーヒッター。昨秋の県大会決勝で八回に代打で出場し、相手投手の初球のスライダーをはじき返し左越えの二塁打を放った。「球種を読み思いきり振った」と振り返る。

 長打の秘密は左腕の強さ。中学2年のときに右ひじを故障し手術した。右腕が使えない10カ月間、左腕だけで素振りの練習を繰り返した。「それ以来、スイングの速さが格段に上がりました」

 右腕もリハビリで復調。入部当初は一塁手だったが、「肩がいい」と評価され外野手に転向した。昨秋から投手の練習もしている。

 好きな言葉は「全力プレー」。「パワーと気持ちの強さは誰にも負けない。甲子園で活躍し、全国制覇に貢献したい」と意気込む。

◇独自トレで肩を強化−−当麻孝忠捕手(2年)

 「甲子園で投手の持つ力を最大限引き出すことが、仕事です」と笑顔で語る捕手。

 奈良県出身。小学生だった03年、センバツで活躍する花咲徳栄をテレビで見た。「ダルビッシュがいる東北に勝つなんて」と興奮し、「徳栄から甲子園に」と夢見るように。母は他県での寮生活を心配したが説得した。

 肩を強くすることが課題。投手陣に交じって、腕で自転車のチューブを引っ張ったり、指でダンベルをつかみ上げたりして肩や指を鍛え続け、遠投は90メートルに伸びた。

 練習で投手のフォームを修正し、試合前には気持ちが盛り上がるように声をかける。監督から「投手の調子はお前次第なんだ」と言われている。(出場選手18人を紹介しました)

毎日新聞埼玉版)