本庄一・奥田ペドロ選手、マリナーズとマイナー契約
◇「いつかイチロー選手と」
甲子園からメジャーのフィールドへ――。本庄市の本庄一高3年のペドロ奥田選手が、イチロー選手のいる米大リーグ・マリナーズとマイナー契約を結んだと発表された。同校で17日、「3、4年後にメジャーリーグに上がりたい」と抱負を語った。
ブラジル出身の日系3世。留学生として2007年に入学し、俊足好打の内野手として活躍。昨夏は甲子園でサヨナラ本塁打を放ち、注目を浴びたが、今夏は埼玉大会の準々決勝で敗れていた。
今秋、日本のプロ野球入りを希望したが、ドラフト会議で指名されず、大学で野球を続けるつもりでいた。朗報が届いたのは、同会議翌日の10月30日。マリナーズから同校の須長三郎監督(52)に、マイナー契約での獲得意思が伝えられた。
奥田選手は17日、寮でコーチからマリナーズの発表を伝え聞き、「とてもうれしい。最高です」と顔をほころばせた。スカウトからは「変化球への対応がうまい」と評価されたといい、須長監督は「他の若い選手に技術では負けていないと思う。慢心せず、一つずつステップアップして」と期待を寄せる。
イチロー選手は同じ俊足の左打者で、あこがれの存在。同じ舞台で活躍するには、マイナーリーグから昇格しないといけないが、奥田選手は「いつか一緒にプレーしたい」と夢見る。
今後は25日の終業式の後、ブラジルで練習し、来年3月の卒業式の前に再来日するという。卒業後、マリナーズがベネズエラに持つ野球アカデミーに移る予定だ。留学生活で上達した日本語で「日本を離れるのは寂しいけど、メジャーで活躍し、お世話になった皆さんに恩返ししたい」と決意を語った。
(朝日新聞埼玉版)