花咲徳栄マネジャー・荒井幹博君、全力でナインサポート

 「一緒に戦う仲間として見てくれるのでうれしい」

 第85回記念選抜高校野球大会に出場する花咲徳栄のマネジャー、荒井幹博君(2年)は笑顔を見せる。

 群馬県桐生市出身。11年に入部後、外野手のレギュラーを目指して練習に取り組んでいた。しかし昨年6月、中学時代に痛めた腰が悪化し「腰椎(ようつい)分離症」と診断された。その1カ月後の同7月、岩井隆監督と名雲浩部長にマネジャーを打診された。

 「1年の時から(ベンチ入りの)18人に入ろうと思ってやってきた。ショックだった」。しかし、母久美さん(45)はこう励ましてくれたという。「あなたのためになると思うから、いいんじゃないの」。久美さんの言葉で、マネジャーになることを決めた。

 練習中の定位置は、岩井監督の隣。岩井監督の指示を選手たちに伝えたり、ノッカーを務めたりしている。また遠征の時は、5人いる女子マネジャーが同行できないため、スポーツ飲料の準備などの仕事を1人でこなす。試合の際は記録員としてベンチ入りし、グラウンドの選手を励ましている。

 荒井君は「最初は練習できる仲間がうらやましかった。でも今は、チームに必要な人間になれるように一生懸命やりたい」と前を見据える。

 選手には、出場できないメンバーの分まで思い切りプレーしてほしいと願う。そのために、ベストの状態で試合に臨めるよう選手たちのサポートに力を尽くすつもりだ。

毎日新聞埼玉版)