春日部東、帝京に完敗 春季関東高校野球

◇勝負どころで失点 悔やむ左右エース

 春日部東の左右の両エースが、悔しさをこらえ最後の夏を見据えた。

 先発の左腕熊谷は強打の帝京に対し、21アウトのうち11が飛球と持ち味を発揮し7回を3失点。ただ、「全責任を感じる」。勝負どころで球が甘く入り、適時打を浴びた自身の投球を悔いた。

 2番手として八回にマウンドに上がった右腕田中は四球からピンチを招くと、連打などを浴び、この回2失点。「気持ちで負けた。最悪の投球です」と唇をかみしめた。

 ともに県大会は防御率0点台を誇っただけに、「力みをなくし、質の高い球を投げたい」と田中。熊谷も「夏には、大きくなって甲子園に行きます」と力を込めた。

◇集中切れ“粘り”潜む

 あまりにもったいない負け方だった。「やることがちゃんとできなかった」と試合後の中野監督の第一声が、全てを物語る。春日部東は、攻守で“らしさ”を出せないまま、帝京に完敗した。

 まずはともに無死二塁を築いた三回の攻防で後手に回る。犠打安打で好機を広げ2点打で先制した帝京に対し、春日部東は小山のバントで二塁走者阿葉家が三塁で刺殺され好機をつぶした。五回にも先頭の阿葉家が安打で出塁したが、小山がバントを空振り。飛び出した阿葉家が挟殺された。

 守備でも0−2のまま迎えた七回。2死走者なしから帝京・高山の中前打を松尾が処理を誤り二塁まで進塁されると続く打者の左前打で追加点。これで集中力が切れたのか八回に2点、九回にも2死走者なしから死球、暴投などで1点を失った。

 引き分け再試合で選抜8強の浦和学院を下すなど、県大会で発揮した終盤の粘りが見られず、後半3回に4失点。主将の若月は「細かいプレーが少しアバウトになってしまった。一人一人が考え直して練習に臨まなければ」と、敗戦を夏への糧とすることを誓った。

埼玉新聞